夫原病というのは正式な病気の名前ではありません。
造語というか、あえて病名をつけるのなら・・という感じで作られた言葉です。
夫原病とは、読んで字のごとく、夫が原因で体調不良を起こすことを現しています。
夫が原因と聞かされれば、まるで夫が悪者のように思えてしまいますが、夫が悪いとは限らないのです。
夫婦として長年一緒にいる間に、少しずつ妻に蓄積された夫原病の種が、熟年世代になると一気に芽吹いてしまい、それが体調に影響するようです。
しかも、女性は40代以降になるとホルモンバランスの変化が大きいので、普通に暮らしているだけでも体調を崩すこともあります。
40代以上の妻たちの半数以上が感じているという夫原病についてご紹介します。
夫原病とは?
夫原病はあまり一般的に知られていることではないのですが、夫婦問題をテーマにしたテレビの番組内などで何度か紹介されたこともあるので、耳に残っている方もいるかも知れません。
夫原病は、夫の言葉、行動、存在などに影響されてストレスを感じ、それが続くことで自律神経のバランスを乱してしまうことで体調が崩れることです。
40代以上の女性に夫原病を訴える人が多いのは、この年代は女性ホルモンの分泌量が急激に減少し始める更年期に重なるからです。
更年期に差し掛かった女性は、女性ホルモンの減少によって自律神経が乱されます。
それで急な発汗を起こしたり、動悸やめまい、頭痛や倦怠感などが続くようになるのです。
何もなくても自律神経のバランスが乱れやすい年齢なので、そこに夫がストレスをさらに増すような言動をすれば、体調を崩すほどの自律神経の乱れを引き起こしても不思議なことではありません。
ただのストレスと甘く見ていると、ほんとに病気になってしまうこともあるのです。
ストレスを抱えやすい夫婦関係
長年夫婦をしていれば、お互いの存在を空気のように感じて気にしなくなることもあります。
そのような夫婦関係なら、夫が近くにいてもストレスを感じることは少ないでしょうね。
しかし夫の存在がストレスになっているのに、それを解消できないまま夫婦を続けて長い年月が経ってしまうと、言葉や行動が強いストレスの原因になるのです。
夫原病になりやすい夫婦関係をチェックしてみましょう。
・家の中ではほぼ不機嫌
・話しかけても反応しない
・妻に職場の部下のような上から目線で接する
・自分が家族を養っているという自負がある
・ありがとうなど感謝の言葉はまず言わない
・自分が悪くても謝罪はしない
・妻が外出するのを嫌がる
・妻の予定に口を出す
・家事や育児の手伝っていると自慢する
・車の運転をすると乱暴になる
・妻の人間性を否定する
このようなことに当てはまることがある旦那さんと一緒にいると、夫原病になるリスクが高いでしょう。
夫原病はガマンが要因になる
夫原病を訴える妻は、夫に対して言いたいことをガマンしている割合が非常に高いようです。
とくに今の40代~60代は専業主婦と兼業主婦の割合が逆転するほど女性が働くようになった世代です。
それなのに家事や育児は女性がほとんど一人でやらなくてはいけないので、日々時間に追われているのです。
夫に対して不満があり、それを解消したくても、時間の無い生活を送るのに精いっぱいで、じっくりと夫婦の関係について話し合う時間も作れません。
いっぱいいっぱいになってから不満を口にすると、冷静に話ができなくて夫婦喧嘩になってしまうことも多いので、喧嘩するよりもガマンした方が日々の生活がスムーズに送れるので、結局はストレスを抱え込んだまま長い間ガマンしてしまうのです。
小さな口喧嘩くらいなら、夫婦がお互いの気持ちをさらけ出し合うことができるので、ガマンする必要はないのですが、小さな喧嘩で収められる自信がないからガマンしてしまうのでしょう。
もしも夫婦喧嘩をすることで危険を感じるような関係性は問題外ですが、忙しさを理由にして話し合うのを後回しにしているのは妻側にも責任があります。
男性は空気を読むのが苦手で、言葉で伝えてもらわないと妻の不満を察知することはできません。
口喧嘩が大きな喧嘩に発展しそうで怖い時は、終わらせる魔法の言葉を考えてみましょう。
例えば、夫のイヤなところ、ムカつくところ、ストレスになるところを伝えて、改めて欲しいとお願いします。
それで口喧嘩に発展してしまってエスカレートしそうになったら、「そういうところ以外は全部好きなんだけどね」と素っ気ない口調でもいいので伝えて締めくくります。
それを言われると、それ以上エスカレートすることはありません。
これは私がいつも使っている決め台詞です。
使えそうだと思われたら、どうぞ使ってくださいね。
夫原病を解消する方法
夫原病は心の負担が大きくなって心の悲鳴が身体に現れた状態です。
それが原因になって寝込む人もいるほどです。
とくに年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休みなど旦那さんが長く家にいる連休になると夫原病が悪化する人が多くなります。
どうしても体調が悪い状態が続くようなら、思い切ってプチ家出してみるとスッキリするのではないでしょうか。
いくら夫の顔を見ないようにして家庭内別居しても、存在が近くにあると思うだけでストレスを感じるほどの状態は、少し距離を置いた方が良いと思います。
別居となると大げさですが、数日間のプチ家出ならお互いにリフレッシュすることもできるでしょう。
友達と旅行に行ってもいいし、一人旅でもいいし、実家に帰るのもいいし、好きなことをして数日過ごしてみます。
その間に家事を任せることも大切です。
・ゴミの収集日
・掃除
・買い物
・洗濯
・食事の支度
・後片付け
全て細かく指示書にして残しておきます。
面倒かも知れませんが、細かく指示するのは大切です。
男性は細かく指示されないとできない生き物だと思うようにして指示書を作ります。
1泊2日のプチ家出でも、妻の存在に対して少しくらい感謝するかも知れません。
期待できないとしても、自分を解放する時間を持つことにためらう必要はありません。
もしも夫が機嫌が悪くなるようなら、夫原病の症状を医師に伝えて診断書をもらってもいいでしょう。
心療内科、精神科で相談すれば、メンタルから起こる体調不良について診断してくれるでしょう。
適度な距離感を作ることが夫原病対策には必要ですよ。
別居という解決策
夫がまだ仕事をしている世代であれば、連休明けにはまた通常の生活リズムに戻れるので、そこで自分の体調を整えることも可能でしょう。
ですが、夫が仕事を引退している世代では、それもできません。
また、連休明けに体調がなかなか戻らないまま、また次の連休が・・・と徐々に体調が戻らなくなる場合は、思い切って別居してみるのも1つの解決策です。
別居は離婚を連想させるので、世間体が悪いとか、子供たちに心配をかけるなど、周りの目を気にして踏み出せない人も少なくないですが、心と身体の不調を抱えたまま同じ家で暮らしていれば、そのうち顔も見たくないほど夫が嫌いになるかも知れません。
「もうすでに顔も見たくないほど嫌いなんですけど」という方も、離婚までは考えていないから、調子が悪くてもガマンしているのですよね。
色んな事情が許せば・・の話ですが、私は別居が一番効果的な解決策だと思います。
円満な夫婦に戻るためというよりも、せっかく長く連れ添ってきたのですから、憎み合うようなことを避けるための別居です。
夫原病に悩んでいるケースでは、別居によって改善するという事例が多いので、可能であれば試してみるのも良いのではないでしょうか。
ウイークリーマンションや家具付きの単身向けアパートなど、先ずは短期間の別居で試してみてから、もう一度これからの夫婦の在り方を話し合ってみるのもいいと思います。
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まとめ
夫原病は更年期障害のひどいバージョンと思っている女性も多いです。
色んな事をガマンする性格の女性は、夫原病からほんとに病気になりやすいので、自分を抑えすぎないように気をつけてくださいね。
すぐに解決する問題ではないのですが、「自分だけがガマンすれば周りを困らせなくても済むから」という自己犠牲の精神を発揮し過ぎないようにしていきましょう。
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