よく使われることわざに、「人のふり見て我がふり直せ」というのがありますよね。
人の行いや様子を見て、「あんな人にならないようにしよう」などと気を引き締める時に使うことわざです。
この言葉の意味は、大人であればほとんどの知っていると思います。
とくにシニアと呼ばれる世代の人たちには、当たり前すぎる事なのかも知れません。
しかし、残念なことに高齢者の中には若い世代から見ると老害と呼びたくなるようなモラルに欠けた人が増えているのも事実です。
きっと老害と呼ばれている自覚もないでしょうし、自分が老害と呼ばれるようになるなんて、考えもしなかったのではないでしょうか。
そして、まだシニアと呼ばれるのは先のことだから・・と自分には無関係だと思っている世代の人たちも、老害になるかも知れないのです。
老害の特徴とは
老害とは、簡単に言ってしまえば「厄介な老人」のことです。
年齢を重ねて老いた我が身を振り返らず、自分の思うようにできないことを周囲に当たり散らすこともあります。
老害と言われる老人たちの特徴を見てみましょう。
自分の考えを曲げない
自分が正しいという主張を絶対に曲げないので、どんなに話し合っても平行線になって理解し合えません。
経験を重ねている自分の考えが100%間違いないという主張なので、聞く耳を持ちません。
昔の価値観を押し付ける
時代の変化がめまぐるしいので、価値観も時代の流れに老い時手変えていかなければいけないのですが、自分の生きた時代の価値観を押し付けてしまう老人がいます。
口癖のように「昔は~だった」とか「昔なら考えらないことだ」などと言って、今の常識がいかに昔は非常識だったのかお押し付けたがります。
話始めると長い
社会とのかかわりが少なくなってくる高齢者は、会話の糸口を見つけると、話が終わらなくなってしまうことがあります。
例えば購入したものに不良品や不具合が見つかった場合などに、お客様相談室などに電話すると、高齢者の多くが非常に長い電話になるケースが多いようです。
自分の寂しさを無関係の人に埋めさせようとするのは困りますね。
同じことを何度も言う
老化現象の一つに、忘れっぽくなることがあります。
同じ相手に同じ話を何度も繰り返すようなことが多くなります。
相手が「その話は何度も聞いたよ」と伝えても、かまわずに自分の話したいことを話すようになると、相手のことを考える余裕のなくなった老害と言えるでしょう。
困ると高齢者アピールをする
普段は年寄扱いをすると機嫌が悪くなるクセに、自分が困った時や都合が悪くなると急に高齢者をアピールするのは厄介です。
60代くらいはシニアと言ってもまだ若いので、年寄扱いされたくないと思っている割合が多いので、60代によくあるタイプの老害です。
怒りっぽい
街中でもよく怒って文句を言っている老人を見かけることが多くなりました。
店員に文句を言っているのは、ほぼ老人ではないかと思えるくらい怒りっぽい高齢者が増えています。
「そんなに怒らなくてもいいのに・・。」と見ている側がハラハラするほど怒っている老人を見ると、お年寄になると穏やかで性格が丸くなるなんていうのは迷信だと思いますね。
怒りを抑えられない老害の原因
怒る老人、キレやすい老人は老害の中でも一番困ります。
一つのことで怒り出すと、その怒りがなかなか収まらないからです。
イメージとしては、老人がそこまで怒るからには、よほどのことがあったのだろうと思っていましたが、どうやらそうではないのです。
じつは怒りも含めて感情をコントロールするのは、脳の前頭葉の働きが大きいのです。
感情を作るのは大脳辺縁系という部位ですが、ここを抑える働きをするのが前頭葉なんです。
人間が感情に任せて行動すると、世の中はトラブルだらけになってしまいます。
しかし怒りの感情を抑える機能が働くので、世の中が平穏に流れているのです。
しかし年齢を重ねると脳は徐々に萎縮して機能を低下させてしまいます。
自分でも抑えられない怒りの感情が生まれることがあるのです。
老害にならないための対策
老害の特徴を見てみると「自分は老害になりたくないな」と改めて思うのですが、誰でも老害なんて呼ばれるような高齢者になりたいと望んではいないはずです。
知らず知らずのうちに老害になってしまうのです。
だからこそ、老害を防ぐための対策を始めてみましょう。
新しいものを避けない
高齢者は今までの人生で様々なことを経験するので、新しいものに挑戦するのを避けてしまう傾向があります。
新しいことや新しい情報などを自分から避けてしまい、古い情報で満足してしまいます。
しかし新しい情報に触れることは脳への刺激になるので若さを保つためにもとても有効なことです。
古い常識や考え方が今の時代に合わないことを自覚するためのも、新しいことから逃げないようにすることは大切です。
人の話しを聞く
老人になると人の話しを聞かずに、会話も一方通行になることがあります。
これでは若い世代は老人との会話を嫌がってしまうのも無理はありません。
自分の言いたいことばかりを主張するのではなく、人の話しを聞く耳を持つことは老害にならないためのポイントではないでしょうか。
怒りが湧いたら6秒数える
先ほど、怒る老人がなぜ多いのかについて触れました。
脳の前頭葉の機能が衰えてしまい、怒りの感情を抑えることができなくなるからなんですね。
そこで日ごろから意識して、怒りを感じたら呼吸をゆっくり整えながら6秒間カウントするクセを身につけましょう。
アンガーコントロールの手法で、6秒数えると、ほとんどの怒りの感情も薄れることがわかっています。
運動を続ける
運動を習慣にしている老人と、ほとんど運動しない老人を比較すると、前頭葉を含む脳の機能の老化のスピードに差が出ることがわかっています。
1日30分~60分程度のウォーキングやスロージョギングなどの有酸素運動をすると脳の働きを高めるのでぜひ運動を習慣にしましょう。
人と関わり合う
ほとんど人と会話しないような孤独な生活を送っていると、自分の感情を抑える機能もどんどん低下してしまいます。
人と会話することは、脳への刺激としてはもっとも効果的なことなので、家の中に閉じこもらずに、人と関われるようにどんどん外に出るように心がけましょう。
音読をする
読書をする時に、声に出して音読すると前頭葉にとても良い刺激になるそうです。
新聞でもいいので、毎日5分くらい音読の時間を作るようにしてみましょう。
音読は目で読むことと発音するという同時に二つの行動をするので、前頭葉の働きを活発にできるのでおすすめです。
まとめ
怒りを抑えられないとか、人に意見を押し付けてくるなど、老害になってしまった老人に対しては、あまり関わり合いたくないと思ってしまいますよね。
深く関わり合うと確かに危険なこともあるので注意は必要です。
もしも自分の身内に老害かも?と思える人がいたら、バカにしたり、見下したりせずに、老害予防対策としてあげたことをさりげなくすすめてみてあげてください。
自分自身が老害にならないように、日ごろから気をつけることも忘れないようにしたいですね。
身の周りに起こるかも知れない老害トラブルについてはこちらにも書いています。