昔から伝わっていることの中には、今でも十分に役に立つことがあります。
おばあちゃんの知恵袋的なことですね。
でも、昔の常識が今は通用しないこともあります。
とくに育児に関することは、昔の常識とは全く違うことが沢山あります。
初めて育児をするお母さんやお父さんは、先輩である親世代からアドバイスをもらうこともあると思います。
しかし、親世代の常識と今の育児の常識に違いがあり過ぎて戸惑ってしまうことがあるのです。
親世代は自分たちがしてきた育児が正しいと思い込んでいることが多く、今の子育ての常識に合わないと言われると、否定されたみたいな気持ちになって落ち込むかも知れません。
落ち込むだけならまだしも、それが原因で親子関係が悪化してしまうのはもっと困ります。
実の親子でも険悪になるのは困りますが、姑だったら・・・泥沼です。
親世代の育児の常識とのギャップに困った時の対策を考えてみました。
育児の常識が通じない親世代
今のパパママ世代の親と言えば、バブル期が終わったあとに生まれたくらいでしょう。
その親の世代は、情報収集が苦手な世代ではありません。
時代に応じた育児の常識を知らないのは、ちょっと不思議な気もします。
ですが、すでに少子化が進んでいる時代に育児をしていた親世代は、自分たちが育児を終えてしまえば、育児について学ぶきっかけはほとんどなくなります。
さらに晩婚化ですから、育児を終えてから30年以上も空白ができるのです。
その間に変化した育児の常識について、知らないのも仕方ありません。
悪気はないのですから、ギャップを埋めるための対策を考えましょう。
妊娠中から始まる世代間ギャップ
じつは妊娠した時から親世代とのギャップが生まれることがあります。
今は妊娠しても体重を増やし過ぎないように注意するように言われます。
妊婦さんの体重が増えすぎるのは危険です。
出産時も産道が開きにくくなるなど、デメリットが増えます。
高血圧になったり、糖尿病のリスクもあります。
妊娠しているからと言って、太っても大丈夫ではないのです。
生まれる直前でも、羊水と胎児、胎盤で4kg~5kg程度です。
妊娠しると血液の量が増えるので、血液増加も合わせると7kg~8kgまでと考えます。
今の子育て世代の親は、日本はすでに豊かな経済大国になっていたので、栄養状態は悪くありませんでした。
ですが、その親の世代は戦中戦後の食糧難を経験している世代です。
妊娠しても自分の身体に栄養が蓄えられていないので、「二人分食べないと」という意識が強かったのです。
その世代の子供が親になった時もまだ、妊娠すると沢山食べないと!という意識が植えつけられたとしたら、今の体重増加を制限するように指導される常識に驚くこともあるのです。
最近は妊婦さんを見かけても、後ろ姿では妊娠していることに気がつかないほどスリムな方が多いですね。
理想的な体重の推移の目安はこんな感じです。
妊娠前にBMIが18.5未満のやせ型の人なら12kgまで、BMIが18.5~25までの標準体重であれば7kg~12kgまで、妊娠前の体型が太り気味でBMIが25を超えている場合は5kgくらいの増加を目安にするように指導されます。
育児の世代間ギャップが生まれた原因
育児の常識が時代の流れとともに変化しているのに、昔の育児を親世代から押し付けられるとどう対応していいのか困りますね。
自分の親から「あなたもそうやって育ってきたんだから大丈夫よ」なんて言われると返事に困ります。
それがお姑さんだったら、余計に困ります。
例えば、抱き癖は時代の流れで変わった育児の常識の代表的なものです。
赤ちゃんが泣いたらすぐに抱き上げるのは、抱き癖がつくから、泣いてもしばらく抱き上げないで様子を見なさい。
そんなことを言われた時代があったんですね。
これはアメリカの育児方法が日本に入ってきた頃に広まった常識です。
アメリカはヨーロッパの流れが強く、子供も生まれた時から自主性や自立を大切に考えています。
寝る時も親と一緒ではなく、子供部屋で一人で寝かせるなど、育児への考え方が違います。
日本では、何かとアメリカをお手本にする傾向が強かったので、影響を強く受けてしまって抱き癖なんて言葉が広まったのです。
今は抱き癖のことなんてほとんど言われません。
抱っこできる時はたっぷり抱っこして、安心させてあげて良いのです。
しかし一部の年配層は今も抱き癖を信じています。
団塊の世代より上はそう思っていたでしょう。
それが正しいことだと信じ込まされた結果なので、親世代が悪いわけではありません。
ただ育児から離れてしまうと、新しい情報に更新する機会がなかっただけなのです。
世代間ギャップにどう対応する?
孫と過ごす時間が生きがいと感じているおじいちゃんやおばあちゃんたちは、自分たちの育児経験をもとにして孫に接します。
その中に「それはやめて欲しい」と思うことがあれば、どう対処するのが良いでしょうか。
相手を嫌な気持ちさせずに伝えるためには、昔の育児方法を否定しないことが基本です。
昔と今は違うんです!とバッサリ切り捨ててしまっては気まずくなるだけです。
時代背景をこちらも考えてあげましょう。
親世代が育児をしていた頃には、どんな環境だったのか話してもらうのです。
父親は仕事が忙しくて、ほとんど育児にかかわっていなかったとか。
親と同居していて家族が多くて家事や育児に忙しかったとか。
その時代背景を想像してみましょう。
抱き癖を例にすると、まさにそんな時代背景が関係していると思います。
ベビーブームで子供が増えたり、共働き世帯が増えたりして、抱っこする時間を少なくする育児を推奨する流れが世の中にあったのでしょう。
「大変だったんですね」と一言添えてから「今は抱っこをガマンしてくても良いので、幸せな時代です」と返すとあまり嫌な気持ちにもならないのではないでしょうか。
あくまでも、親世代の育児も常識はその時代には正しかったものという感じで、軽く聞いておきましょう。
育児に関する情報を共有する
親世代は、幼児教育に常日頃関心があるわけではなく、孫が生まれて昔を思い出しながら接しているのです。
悪気があってではなく、良かれと思ってのことだという温かい気持ちで聞いてあげるようにしましょう。
親世代も育児に巻き込むかどうか
核家族の場合でも、親が近くに住んでいるとしたら、妊娠中から育児に参加させるつもりで今の育児に必要な知識を植え付けておくことも世代間ギャップによる衝突を防ぐ対策になります。
育児書などを親の目に触れるようにして、今の育児の常識を親にもわかってもらうのです。
自分の口から伝えなくても、育児書を一緒に読む時間を作ってさりげなくすり込んでおきましょう。
あらかじめ今の時代の育児の知識に触れていてくれれば、育児が始まってからもサポートをお願いしやすいと思います。
自分の安心と子供の安全のために、親世代とのギャップは埋められるように努力したほうがいいですよね。
まとめ
親と育児に関する価値観の違いがあるのは時代が違うのですから当たり前のことです。
古いものをすべて否定するのではなく、良いと思うことだけ参考にすれば良いのです。
親の育児に対する古い情報を、上書きするのはめんどくさいと思いますが、子供のために頑張りましょう。