モラルハラスメントと同じく、家庭内でもありがちなのが不機嫌ハラスメント(フキハラ)です。
不機嫌になることは誰にでもありますが、フキハラは一緒に暮らす家族にとっては深刻な問題になることもあるのです。
ちょっとハラスメントの種類が多すぎて、わけわからなくなってきますので、ハラスメントについて整理しながらフキハラを考えてみましょう。
フキハラとは
まずは不機嫌ハラスメント(フキハラ)とはなんだ?というところから。
フキハラとは、不機嫌な態度をとることで、不快にさせたり、気を使わせたり、精神的な苦痛を与えることです。
これは、不機嫌な態度をとる本人が意図してしているかどうかにかかわらず、相手がそう受けることで苦痛に感じてしまえばフキハラです。
自分が意図とするかどうかにかかわらず、相手がハラスメントだと感じれば・・というのは、他のハラスメントにも共通することですね。
しかし、不機嫌になるのには何か理由や原因があり、それを我慢しなければいけないのもストレスになったり、精神的な苦痛を蓄積することにもつながります。
何かとてつもなく嫌なことがあっても、フキハラと言われてしまうとこわいので、我慢しなければならないというのも、何となく違和感をおぼえる人もいるのではないでしょうか。
そこで、フキハラについて、もっと詳しく掘り下げてみます。
不機嫌になる原因
不機嫌になってしまう原因は色々あります。
まずはその原因を見ていきましょう。
体調が悪い
悪気はないのに不機嫌になる原因として、もっとも多いのが体調不良によるものです。
体調が悪ければ、ニコニコと笑っていられません。
仕事も思うように進まないし、捗らないし、そのイライラが態度に出てしまうのでしょう。
しかし、体調が悪いのなら無理をせずに休みをとったり、早退するなどできるはずです。
そうしないのは、自分がいないと仕事が回らないという責任感からなのかも知れません。
ですが、その責任感のせいで周囲が気を使い、嫌な気持ちになるのであれば休んでもらった方がいいですよね。
ストレスを感じている
ストレスを感じると、人間は血圧が上昇して心拍数が高くなるなど、身体に影響があります。
精神面だけではなく、強いストレスは様々なところに影響するのです。
そもそもなぜストレスを感じるのか・・というと、自分の思い通りにならないことが重なったりすることが原因になることが多いのではないでしょうか。
つまりストレスを溜めやすい人は、それを周りのせいだと感じて八つ当たりするような精神状態に陥りやすいので、不機嫌な態度になってしまうのでしょう。
気が付いて欲しい
不機嫌な態度をアピールして「どうしたんですか?」「何かありましたか?」とご機嫌をとってもらおうとしているのは、とても迷惑なかまってちゃんです。
しかし一定数このタイプは存在していて、年齢や立場に関係ありません。
親のような年齢の上司からこのようなことをされるのは、まさにハラスメントと感じるのではないでしょうか。
相手をコントロールしたい
相手を自分の支配下に置き、コントロールするのがモラハラです。
フキハラもモラハラの一種と言われておりますが、言葉で相手を追い詰めるのではなく、無言のまま不機嫌な態度で相手を追い詰めます。
機嫌が悪そうな人を見て「自分の何が悪かったのだろう」と考えてしまうような人に対してのフキハラはとても強い圧迫感を感じるでしょう。
フキハラの定義
誰だって四六時中、ニコニコと機嫌よくできるわけなく、不機嫌になることもあります。
しかし、ここでフキハラの定義の基本を考えて、不機嫌の原因を整理してみるとわかることがあります。
それは、フキハラとはモラハラと同じく、相手に精神的な圧迫を与えるために嫌がらせをすることです。
モラハラは言葉で相手を追い詰めたり、嫌がらせするのに対してフキハラは言葉には出しません。
フキハラは別名「サイレントモラハラ」と呼ばれているので、モラハラの一種と考えるのが妥当ではないでしょうか。
家庭内のフキハラ
ここまでにフキハラについて見てきましたが、これはあくまでも職場でのハラスメントのことであり、家庭内とはまた別の話です。
職場でのハラスメントは、適切に対応しなければならないパワハラ防止法が施行されました。
大企業だけじゃなく、中小零細企業でも適応されるようになっているので、弁護士等に相談するなどの対策がとられます。
しかし、これが家庭内のフキハラとなればどうすれば良いのか悩みますね。
身体的なDVや言葉によるモラハラと違い、沈黙して不機嫌な態度で相手を威圧しようとするフキハラは万が一離婚を考えたときにも説明するのに困るでしょう。
いざ離婚となった時のために、日々の日記でどのような精神的な圧迫を受けているのか記録を残すことも一つの方法です。
ですが、離婚するところまでいかないけれど、不機嫌な態度で家庭内の雰囲気が悪くなるのが困るということであれば、一切気にする必要はなく、完全に不機嫌を見て見ぬふりでスルーで良いのです。
たとえ家族であっても、不機嫌な態度で精神的な圧迫感を与えて自分の思い通りにしようとするのは良くないでしょう。
その人の不機嫌はその人の理由であり、もしも相手に対して「こうして欲しい」と思うことがあるのなら、無言で不機嫌な態度を続けて考えさせるのではなく、言葉にして伝えれば済む話です。
それができないのは、自分が不機嫌になっている根本的な原因は自分自身にあるからだとわかっているからなのです。
だから家庭内のフキハラは、まったく気にしなくてもイイのです!
それができなくて、相手の顔色ばかりうかがってしまうと、ハラスメントはどんどんエスカレートしてしまいます。
フキハラは早めに芽を摘んでおくことが大切なのです。
まとめ
日本ほどハラスメントを細かく分けている国もめずらしいのではないでしょうか。
それほど日本人はハラスメントに敏感なのか、それともそもそもがハラスメントの文化が根強いのか・・
どちらにしても、自分の態度がハラスメントに該当しないと100%言い切って、自信を持てる人がどのくらい存在するのかわかりませんが、自分自身も気をつけたいと改めて考えさせられました。