ミソジニーってなんだかご存じですか?
SNSでよく見るね
女性のことを軽視したり
蔑視することだったかと
はい、その通りです。
ミソジニーという言葉自体は造語ですが、語源は嫌悪感と女性を意味するラテン語とギリシャ語が混ざった言葉と言われています。
女性を嫌悪したり、蔑視するのは主に男性なのですが、女性の中にもミソジニーはあります。
とくに昭和の世代は戦前まであった家制度、家父長制度の影響が根強いため、ミソジニーという自覚はほとんどない世代です。
それは男性に限らず、ミソジニーは女性の中にもあります。
無意識で悪気のないミソジニーだとしても、アップデートは必要でしょう。
昭和世代のミソジニーでもアップデートできるのか、考えてみませんか。
ミソジニーの心理
ミソジニーは、男性が優位であり、男性の下に女性がいるという古い考え方から生まれるものです。
こういうと、いかにも日本の古い文化のように感じるかも知れませんが、世界を見渡せばそういう男性優位な社会が圧倒的に多かったのです。
しかし徐々に男女の地位は対等になってきたのですが、日本は長い間の鎖国から世界の文化が入ってくるのが遅れたことや、明治時代に制定された憲法下で家父長制度が続いてきたことが大きく影響しています。
戦後は日本国憲法が新しくなり、家制度(家父長制度)はなくなったのですが、長く続いた男性優位の社会は昭和、平成、令和の時代になってもまだ根強く続いているのです。
男性のミソジニー
ミソジニーの男性は、高齢者や中年に多いのは間違いないですが、若い世代にも存在します。
年齢高めのミソジニーは、戦後の高度経済成長の時代を頑張って支えてきた人たちが多く、男性がバリバリ働いて女性は専業主婦になって家庭を守るのが理想的な家庭像とされてきました。
家制度はなくなったのに、専業主婦に対する優遇措置を国をあげて行ってきたのですから、男性優位の意識がなくなるわけありません。
では、若い世代のミソジニーの男性はどうなのでしょう。
調べてみると、今の20~30代のミソジニー男性は自己肯定感が低く、自分が評価されない原因が女性にあるといういわゆる八つ当たりのような感情が絡むことが考えられます。
これは社会の構造の歪みのようなものです。
例えば、日本はジェンダー平等は先進国のなかでもかなり遅れています。
先進7か国では最下位が続いていますから、国は表面上だけでも取り繕うために民間企業に女性の活躍の場をきちんと定めるように求めています。
そうなると、企業の中で女性を重要なポジションにつける動きが出てくるでしょう。
すると自己肯定感の低い男性は、女性だから優遇されていると思い込み、それが女性を嫌悪する意識になってしまうのではないでしょうか。
このような国が上からやらせることは、女性にも良いことではありません。
本来の実力で出世したとしても「女だから優遇された」と思われてしまう恐れがあります。
こういうカタチだけの制度は、新たなミソジニー意識を生むのかも知れませんね。
女性のミソジニー
女性なのにミソジニーとは・・?と思われるでしょうが、これは専業主婦VS有職主婦の争いに似たところがあります。
女性らしさを大切にしなければならないという考え方が強い女性に多い傾向があります。
育った環境なども影響するのかも知れませんが、女性は男性よりも弱い生き物であり、男性に守ってもらうのが最上の幸せだと信じている女性から見ると、男性社会でバリバリと肩を並べて働く女性に嫌悪感を持つことがあるようです。
女性は結婚して子供を産み育てることが何よりも重要だという意識があるとしたら、働く女性に対する怒りのような感情も持ってしまうのかも知れませんね。
家の中のミソジニー対策
さて、まだまだ根深いミソジニー問題ですが、社会問題という大きなことよりも身近なミソジニーを何とかする方が先でしょう。
家の中のミソジニー対策は地道な積み重ねが必要です。
人の思考は簡単に変わるわけなく、表面上はわかったようなつもりでいても、根底にある男性優位思考は簡単にはなくなりません。
じつはうちにも見事なまでのミソジニー男がいます(連れ合いです)
一緒に生活し始めて13年になりますが、まだまだ根強いミソジニーですが、随分と「気を付けている」とわかるようになりました。
例えばテレビを見ていて、男性化粧品を紹介していると「男がスキンケアとか気持ち悪い」とかポロっと口に出していましたが、最近はかなり減りました。
女性に対して軽視するのはダメだとわかっているつもりでも、男性に対して「男のくせに」というのは裏を返せば「女のくせに」と思っているのと同じです。
相手によって使い分けているだけで、性別によって「こうあるべきだ」と頑なになった思想なのでしょうが、少しずつでもアップデートできれば望みはあります。
これは徹底した「男とか女のまえに人なので」と繰り返し言い続けてきた成果かも知れません。
日々の積み重ねなので、近くでミソジニーをアップデートさせるための協力者がいないと難しいのかも知れませんが、人は自分が気が付けば変わろうと努力できる可能性もあるはずです。
まとめ
ミソジニーは長年の家父長制度の影響が大きいので、まだまだ何十年も女性が社会で頑張るのは難しいのかも知れません。
しかしながら、友人や家族が気になったときに「ミソジニーなってるよ」と上書きし続けることが、小さなところでもできることではないでしょうか。