毒親という言葉ができたのはいつからでしょう。
どこかの週刊誌なのかネットなのか、毒親という言葉が生まれたのはどこなのかわかりませんが、よく目にするようになっています。
毒親と聞くと子供に対してひどい仕打ちをする親を想像します。
目を覆いたくなるような悲惨なニュースを目にする度に、その子供たちのことを考えて胸が苦しくなってしまいます。
でも、一見すると毒親ではなさそうな親にも毒親はいます。
その代表的な特徴が過保護で過干渉な親です。
過保護で過干渉な親は、外から見ると子供の世話や教育にとても熱心なので、まさか毒親なんて思われないことが多く、子供は大人になってから客観的に親を見るようになって初めて気がつくことが多いようです。
過干渉な毒親によくある特徴
親が子供のことに干渉してしまうのは、子供のことが心配だからですが、それが過ぎると子供は自分で考えたり、自分で決めることができなくなってしまいます。
昔のことわざに「可愛い子には旅をさせろ」というのがあります。
子供のことを思えばこそ、心配でも自立のために旅をさせて様々な世界を見せて経験させろという意味です。
過干渉なまま子供を育てることは、子供が成長するのを妨げることになるし、親がいないと生きられない人間にしてしまう恐れがあります。
大人になってから、うまく社会生活を送れなくて困るのは子供自身です。
順番から考えれば、親が先に逝くのですから、親がいなくても生きられる人間に育てることが親の責任でしょう。
過干渉で過保護な毒親とは、自分の存在価値を確認したいための道具に子供を使ってしまうことがあるのです。
過干渉な毒親にありがちな特徴を見てみましょう。
人と比べる
自分の子供が周りの子供よりも劣ることがあるのを許せず、勝ち負けに強いこだわりを持つことが多い親は、毒親によくあるタイプです。
運動会や学校の成績、習い事などをさせると、トップじゃなければ認められないという環境で育つと、負けることに罪悪感を抱きながら成長することになります。
人にランクをつける
どんな人にも欠点や長所があるものです。
それは子供にも同じことでしょう。
なのに自分を軸にして上下のランクをつけたがる親は過干渉な毒親傾向が考えられます。
子供の遊び仲間を見下して、付き合わないように引き離したり、格上だと認めたママ友の子供に対しては、自分がみじめになるのが嫌で遠ざけたりすることもあります。
ランクによって接し方がガラッと違う面を子供にも隠そうとしないため、それが当然のことだと思う大人になってしまいます。
反論させない
親の言うことに反論は許さないので、親は間違えることはないと思うようにしないと納得できないことが増えてきます。
子供も成長すると、親が完ぺきな人間じゃないことに気がつきます。
反論すると子供の人格すら否定するようなことを言う毒親もいるため、親に対して絶対服従という親子関係になってしまいます。
友達が少ない
過干渉な毒親は、人間関係を構築するのが苦手という特徴がみられます。
そのため友達がほとんどいないとか、友達のように付き合っていても表面上だけの関係です。
子供に過干渉してしまうのは、孤独にならないために子供をずっとそばに置いておきたいからです。
自分から子供が離れていくのを阻止するために、子供を過保護に育てて親離れさせないようにするのです。
過干渉な毒親との接し方
自分が大人になって社会を見渡した時、「うちの親って普通じゃないな、毒親かも」と感じ始めたなら、親との関係を考えないと自分の今後の人生にも影響が出てしまいます。
過干渉な毒親と離れるのは簡単なことじゃありません。
自分から離れようとすればするほど干渉されるようになることもあるので、うまく距離を取る方法を考えましょう。
過干渉な毒親と一緒にいることで、精神的な安定を欠いて、メンタルの病気になることもあるんですよ。
物理的に距離を置くことである程度の干渉から逃れることはできますが、電話やメール、LINEなどで常に子供に干渉しようとされると、ひどいストレスになってしまいます。
過干渉の毒親は、子供に対して支配力を持つ続けていないと不安になってしまいます。
毒親の支配から抜け出すのは、過干渉で育てられた子供にとっても大きな不安です。
親から離れられないように育てたのですから当たり前です。
そんな親から離れるためには、先ずは実家から出ることと自立する手段を見つけることです。
進学や就職のチャンスを逃さない
毒親から離れるために一番いい方法は進学、就職の機会を活用することです。
できるだけ実家から離れたところに進学、就職するようにしましょう。
当然のことながら親は大反対すると思いますが負けないことです。
海外に行く
海外留学するのも毒親から離れるためには有効な手段です。
時差が大きい地域を選べば、電話やメールなどの干渉からも逃げやすいでしょう。
結婚して自分の家庭を作る
結婚できる年齢になっても親の干渉が続く場合は、結婚後も同居や近居をすすめることが多いです。
親が援助して新居を実家の近くにしたりすると、結婚後も干渉が続くので、新居は実家から離れたところで探しましょう。
過干渉な親に子離れさせる方法
親の干渉から逃れたいと思っているけれど、それが上手くできないのは、あなた自身が親の言うことを聞かなければいけないという気持ちが強いからだと思います。
そう思ってしまうのは、親の影響です。
親に歯向かうのは悪いこと。
親に従がわないのはダメな人間。
このように子供の頃から教え込まれれば、大人になってもそれが抜けません。
過干渉な毒親だと思っているけれど、そこから離れるためには、親に理解してもらわないといけないという考え方が優先されてしまいます。
でも、ハッキリ言ってそれは無理です。
過干渉な毒親は、子供が自分から離れることを極端に嫌がります。
当然のことながら、親から離れることを理解してもらおうとしても、聞く耳は持たないと思います。
しかしそこで諦めてしまえば、ずっと親の過干渉から離れることはできないでしょう。
「親にはわかって欲しい」とか「親子だから話せばわかり合えるはず」という考え方は一旦置いておきます。
一度は強引にでも親から離れると、親も徐々に子供への執着が薄れる可能性があります。
「わかって欲しい」という気持ちは、親を思う子供のやさしさでもありますが、所詮は親子でも違う人間なので、自分の気持ちを100%理解してもらえると期待しない方が良いのです。
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親への干渉にも気を付けよう
親が子供を心配して干渉し過ぎてしまうのと同じように、親が年老いていく子供が親を干渉し過ぎてしまうこともあります。
子供たちのサポートがなければ暮らしていけないような状態であれば仕方ないですが、まだまだ元気なのに干渉し過ぎてしまうのは、老化を早めるリスクもあります。
シニアと呼ばれる年齢になってからも、子供たちの世話にならずに生活するつもりでいるのであれば、あまり干渉せずに見守った方が良いと思います。
自分自身が成長する過程で親に干渉され過ぎてしまうと、親子の立場が逆転した時に同じようなことになる場合もあるのです。
もしくは親の干渉から逃れた子供は、親が高齢になっても極端に近寄るのを嫌がってしまうこともあります。
成長課程で受けた影響は深いのでしょう。
親が年老いていくのを目の当たりにするようになった時には、自分が後悔しないようにサポートしてあげる心の準備だけは必要なのかも知れませんね。
まとめ
過干渉の毒親に育てられると、自分自身も知らず知らずのうちに子供に同じようなことをしてしまうことがあります。
子供は生まれた時から親とは別人格だということをいつも頭の中に置くようにして毒親スパイラルが続かないようにしたいですね。