人間関係が上手くいかないときは、無理してその関係性を維持する必要はないと思います。
無理をして、その関係性のなかで苦しむと、自分自身が壊れてしまいますからね。
ですが、人間関係が上手くいかないからといって、そのたびにリセットばかりしていたらどうなるでしょう。
大切な人との出会いも失ってしまいます。
そのようなサイクルを繰り返してしまう原因と対策を考えてみましょう。
人間関係を切りたくなる人とは
人間関係が広くなると、楽しいことも増えますが、嫌なことも多くなります。
どんな人にも相性の良し悪しはあるので、苦手な人との関係もあるからです。
ですが、人間関係を突然リセットしてしまう癖のある人はそういう苦手意識すら考えようとせずに無理していい関係を維持しようと頑張ってしまいます。
人間関係をブツっと切って、リセットしてしまう人は、周りの人たちから「あなたはいい人ね」と言われることが多いのです。
人に合わせて頑張るので、周りの人たちが居心地も良いし気分も良いでしょう。
しかし当の本人は無理しているので、ジワジワのその無理が祟ってしまいます。
そして「あ~、もう無理」となってしまうのです。
LINEをブロックしたり、メールや電話を拒否したり、職場を辞めて転職したり、引越して環境を一新するなど。
リセットしたときは、嫌な人間関係に苦しむことから解放されるので、気分も良くなるでしょうが、しばらくすると後悔するパターンです。
嫌な人間関係と思っていても、人とのつながりはやはりとても大切なものです。
リセットしてしまった人間関係の中には、かけがえのない人がいたとすれば、自分にとって大きな損失になります。
リセットしたくなる気持ちは誰もが共感できますが、実際に行動を起こす前に踏みとどまれるかどうかが重要なのです。
リセットしてしまう原因
じつは私自身も人間関係をリセットし続けて生きてきました。
なので、子供時代、思春期、学生、バイト、職場、ママ友など、ライフステージのたびに新たに生まれるコミュニティに入っても、そこから人間関係を広げることができずにリセットしてきました。
唯一、つながり続けているのはたった3人の地元の友人です。
この3人は、距離感が絶妙なのでリセットする必要を感じなかったので縁が切れていません。
他は全滅です。
しかし今はリセット癖はかなり改善できました。
それは自分が葛藤保持力が足らないからだという原因を解明したからです。
葛藤保持力とは、読んで字のごとく、葛藤するような問題を抱えながら解決た対策する方法を模索する力のことです。
では、なぜ葛藤保持力がリセット癖の原因になるのでしょうか。
葛藤保持力とは
葛藤とは、もつれ、悶着、あらそい、いがみ合いなどの意味があります。
今回の葛藤保持力については、対人でのもつれや悶着というよりも、自分自身の心の中の葛藤のことです。
葛藤保持力というのは、心理学の分野では使われるようですが、一般的にはあまり聞きませんよね。
ざっくりと説明すると、葛藤を抱えたときにどう対応するか考える能力のことです。
社会で様々な人と付き合うようになると、苦手な人との付き合い方に悩むことがあります。
そんなとき、葛藤保持力のある人は、その問題に対してどう向き合えばいいのか考えたり、調べたり、人に相談したりして乗り越えようとします。
それで解決できなくても、解決しようとする過程でさらに新たな人間関係が生まれるなどして、一つの問題で心が占領されることも少ないのです。
ところが葛藤保持力のない人は、問題が起こっても自分の心の中だけに秘めてしまいます。
人間関係をリセットする癖のある人は、自分が悩まされていても自分がガマンすれば丸く収まると考えるので、解決のために行動しないのです。
そして限界がくると、何もかもをリセットしてしまうのです。
人間関係を維持する方法
リセットばかりしていては、自分にとって大切な人との絆を深めることもできません。
しかし、ガマンして、イイ人を演じ続けるのも疲れてしまうでしょう。
少しずつトレーニングをして、リセット癖を直せるといいですね。
具体的に、どうすればいいのか考えてみましょう。
外に出してみる
心の中に閉じ込めて、自分の苦しみだけを大きく膨らませてしまうと、いつか弾けてしまうので、外に出す習慣をつけます。
日記に書くとか、ブログに書くだけでもいいのです。
なぜリセットしたくなったのか、そしてリセットしたのなら、その後にどう感じたのかを心の外に出してみましょう。
まずは自分の心の中にあるものを可視化してみます。
そのときは客観的に考えられなくても、時間差で考えられるときがきます。
それが葛藤保持力を養うことになるのです。
完璧を求めない
リセット癖は、自分に対する甘えが許せなくなると耐えられなくなってブツっと切ってしまいます。
自分に対する甘えが許せないと、他人への評価も厳しくなるので、人間関係がギスギスしてしまうと修復が難しくなります。
人間は不完全な生き物だと考えて、自分にも他人にも寛容になれるようになれるといいですね。
少々のダメを受け入れ、許し合う関係の心地良さを知ると、リセットすることなんて考えもしなくなるでしょう。
自分の正直になる
人からの印象に自分を無理に合わせてしまい、イイ人で居続けなければいけないと思ってしまうとNOが言えなくなります。
誰でもNOと拒絶されれば、ガッカリされるでしょうが、伝え方さえ工夫すれば大きな問題になりません。
ホントはイヤなのにNOと言えないまま我慢し続けて、爆発してしまうよりも正直に素直に伝える方がよほど相手に対して誠実です。
例えば

今度キャンプに行こうよ
と誘われた時の断り方です。

キャンプは興味ないな
アウトドアは嫌いなの
このようにバッサリと断ると、相手はそれ以上は何も言えなくなります。

ごめんね
私はインドア派で
キャンプとかはあまり・・・
虫とか苦手だし(笑)
楽しんできてね
このように断れば、「ああ、この人はアウトドアは苦手なんだな」と理解できるし、さほどガッカリすることもないでしょう。
アウトドアは苦手だという素直な気持ちを伝えるとしても、伝え方に思いやりさえあれば関係がギスギスすることも避けられるはずです。
まとめ
人間関係をリセットしてしまうのは、自分の気持ちを正直に表に出せないタイプに多いのですよね。
自分だけがガマンすれば・・なんて考えは結果的にリセットすることで周りの人を傷つけてしまうのです。
これからは、自分の気持ちに素直になれるように自戒の念を込めて書きました。