シングルマザーの再婚は、それまでの苦悩から解放されて幸せな第二の人生へのスタートでもあります。
ですが、子連れ再婚した後はすべてがバラ色の生活になるわけではありません。
再婚相手にとって、連れ子は血のつながりがないので、どれほどの愛情をもって接してくれるのか未知数です。
結婚当初は可愛がってくれたとしても、自分たちの間に子供が生まれれば、血のつながりのない連れ子に対して冷たくなることも考えられます。
先日のことですが、知人から再婚夫が子供のお金を使うことを渋るので悩んでいるという話を聞きました。
今回は知人女性の悩みから、子連れ再婚に起こる問題を考えてみることにしました。
連れ子のためにお金を使いたくない夫の本音
まずは知人女性から聞いた再婚夫に関する悩みの内容をご説明します。
知人女性Aさんは、娘が1歳の時に離婚して、その後シングルマザーとして働いてきました。
仕事関係で知り合った男性と1年の交際を経て、子連れ再婚したのが娘が5歳の時です。
夫は同じ年齢で、初婚でしたが、娘をとても可愛がってくれて、仲の良い3人家族として幸せな生活をスタートさせました。
そして再婚して1年半後に男の子が誕生します。
家族が増えて、さらににぎやかな生活がスタートしたのですが、息子のお宮参りの時に問題が起こります。
その年は娘が7歳の七五三の年と重なるため、同じ神社でお宮参りと七五三のお祝いを同時にすることにしたのです。
両家の親も一緒にお祝いしたのですが、夫がその後から娘の七五三の晴れ着の金額などを細かく知りたがったそうなのです。
A子さんは娘の七五三の晴れ着は実家の親が用意してくれたものだから、費用は家計から出していないと説明します。
しかし記念写真の費用や神社の御祈祷のための初穂料などが、七五三と同時にしたせいで倍になったのではないかと責めるような口ぶりになり、とても悲しい気持ちになってしまったのです。
そのことがあってから、A子さんは娘の養育に必要なお金はきっちりと明細を残して、何か言われても説明できるように準備するようになります。
子供を出産して間もないため、仕事もできず収入もないため、娘のために何かしてあげたい時には実家の親から援助してもらうことにしました。
夫が娘のためにお金を使いたくないとしても、娘にガマンさせるのは嫌だと思うのは母親として当然の気持ちだと思います。
しかし、娘のために必要なお金を実家から援助されているとなると、夫は自分の面目が潰れるので、それもまた機嫌を損ねる結果となりました。
とてもやりきれない気持ちになる話でしたが、A子さんはとても強い女性だったので、長男を保育園に預けながら早々に仕事をはじめて、娘の養育に必要なお金はすべて自分が稼ぐと決意して頑張っています。
その強さに少し救われましたが、再婚夫の器の小ささには呆れました。
もしも夫が連れ子の娘に対して、お金の問題だけじゃなく精神的なプレッシャーを与えるようなことでもあれば、きっとこの夫婦は続かないだろうな・・と思ってしまうのです。
子連れ再婚する前に決めておくべきこと
子連れ再婚した後に、連れ子の養育にかかるお金のことで再婚夫ともめるのはとても悲しいことです。
とてもひどい話のように感じるかも知れませんが、人間はそんなに簡単に赤の他人の子供を自分の子供と同じように愛せるものではないのです。
長い時間を同じ屋根の下で過ごしながら、少しずつ親子の情が厚みを増すこともあるかも知れませんし、上手くいかないまま連れ子は自立の道を早々と選ぶしかないのかも知れません。
再婚するまでは、そんなことになると思っていなかったはずなので、きっとショックを受けるし、夫への不信感が大きくなると思います。
すぐに離婚の道を選択する人もいるでしょうが、諦めずに頑張ろうと思うのなら、今からでも遅くないので、連れ子の養育に関するルールを夫婦の間で決めてみてはどうでしょう。
これから再婚するシングルマザーの方は、結婚する前にしっかり話し合って決めておくと、今回のA子さんのようなトラブルも防げる可能性があります。
連れ子の養育にかかる費用
再婚相手が結婚前にどんなことを言ったとしても、それはあくまでも結婚前の話です。
子供を育てた経験のない男性は、子供の養育にかかる費用も想像つかないでしょう。
自分の収入で妻と子供を養うという覚悟を持っているつもりでも、その気持ちがずっと続くとは限らないのです。
まず子供の養育にかかるお金の負担をしっかり理解してもらいましょう。
結婚後も仕事を続けるのなら、子供のために必要なお金は夫を頼りにしなくても済むので、仕事を続けることも認めてもらい、家事分担などの協力が得られるように話し合っておくと再婚相手も安心できると思います。
家族計画について
子連れ再婚をした後に、2人の間に新たな命が宿ることはおめでたいのですが、妊娠から出産、そして育児に専念しなければいけない間は仕事が続けられなくなるかも知れません。
産休がとれる職場であればいいですが、パートや非正規雇用では難しいので、その間は無収入になることも想定されます。
そうなると、子供のために必要なお金を稼げなくなってしまいます。
もしも夫が子供をすごく欲しがっているとしても、仕事ができない間の連れ子の養育にかかる費用を快く出してくれるのかわかりませんよね。
しっかりと家族計画を立てることは、子供を守るためにも必要なことです。
夫へ気持ちも大切にしたいので、苦しい選択をしなければいけませんが、自分の子供を守れるのは母親である自分だけだという自覚を持つことが大切だと思います。
再婚夫が連れ子に対しても愛情深く接してくれるのを見て、心から安心できると思えるのなら、新たな家族が増えても心配ないのではないでしょうか。
連れ子の父親との関係
子供の実の父親との関係は、再婚した後は夫の気持ちを考えると、あまり続けたくないと思う人がほとんどでしょう。
別れた夫側も、子供が新しい家庭で幸せになるために、連絡を控えるケースも少なくないようです。
ですが、もしも再婚夫が連れ子に対して冷たい仕打ちをするようなことがあった時に、頼れる存在として実の父親との関係は切らない方が良いと思います。
実の父親の存在を意識することで、再婚夫も努力してくれるかも知れません。
子供の気持ちが最優先ですが、子供が遠慮して父親に連絡できないような状況は作らないようにしなければいけませんね。
再婚した夫に内緒にするのはバレた時に大問題になるので、きちんと話して理解してもらうように努めましょう。
もしも再婚相手が連れ子のためにお金を出し渋るようなことになった場合も、実の父親の助けが必要になるかも知れません。
別れた夫が子供のことを気にかけてくれるのなら、関係を断ち切らない方法を考えるようにしてください。
「夫婦になる」=「親子になる」ではない
シングルマザーの女性と結婚するのを決意したのだから、連れ子の父親になるのは当たり前だと思うが間違いのもとです。
実の父親でもまともに自分の子供の育児ができない男性も山ほどいるのですから、血のつながりのない子供に対して期待するからがっかりして不信感が生まれるのです。
再婚しても、シングルマザーだった時とかわらずに子供を育てるのは自分しかいないという覚悟を持ち続ければ、夫の言葉にいちいち傷つくこともありません。
ただ、子供の存在を疎ましく思うような態度を夫が見せた時には、母としての強さで立ち向かって欲しいと思います。
ステップファミリーの成功のポイントについてはこちらでも書いています。
まとめ
結婚する前は、女性の気持ちを引くために良いところばかりを見せようとするものです。
シングルマザーに対しては、子供を可愛がることがとても有効なのでしょう。
ですが、結婚後に態度が変わるのもよくある話です。
自分の対して変わってしまうのは耐えられるとしても、子供にガマンさせてはいけないと思うのです。
女としての幸せのために、母親の自分を見失わないようにしてください。