子供をあきらめた小姑から養子の話を相談されたらどうすればいい?

悩み

ある女性の深刻な悩みを耳にしました。

結婚して5年経ち、二人の子供にも恵まれて幸せに暮らしている女性です。

下の子が来年幼稚園に入園するので、三人目のことを考え始めた矢先に不妊治療をしている義理の姉から「三人目を産むつもりなら養子に欲しい」と言われたのです。

自分自身が三人目を望んでいるのに、養子に出すなんて全く考えられないことなのですが、夫の両親たちまでそれを望んでいるような雰囲気で困っているという悩みです。

そんなこと言うなんて、信じられない!

身内でも、それはちょっと・・

難しい問題ですよね。

じつは私の叔父たちの間でも似たようなことがあり、それが原因でずっと兄弟が不仲な状態が続いていました。

それを思い出してしまうようなお悩みです。

不妊に悩んでいる夫婦はとても多いので、もしかしたら同じような問題を抱えている家族は少なくないのかも知れません。

自分自身の生んだ子供を養子に出すのは、たとえ血縁関係のある親族でも「はいどうぞ」というわけにいかないものです。

今回のような問題が起こった場合、どうするべきなのか考えてみました。

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話し合いは妊娠前にするべき

今回取り上げたような問題は、お互いの気持ちを理解しないまま、自分の気持ちだけが大きく膨らんでしまったことが余計にややこしくしているのだと思います。

そのためには、相手が小姑だとしても、心の中を見せるつもりで話し合うことで、その後の家族の空気も冷やかなものになりにくいのではないでしょうか。

ただ、妊娠している女性の心は揺れ動きやすいので、そういう問題は妊娠前に話し合うのが前提です。

妊娠中にそういう話を持ち出す人は、基本的に相手の心を理解する気持ちがありません。

自分の苦しみで頭がいっぱいになっていて、余裕がない状態なので、話合いをしても上手くいく可能性はとても低いと思います。

話し合うポイント

親族間で子供を養子にする話は、じつは世の中では珍しくありません。

でも、それは事業や財産の継承のために、戸籍上だけ養子縁組しているケースが多いようです。

親族の子供を自分の養子にして育てるというのは、よくある話ではないのです。

そんなに重大なことを言い出すからには、それまでにも子供の問題で悩んでいることを耳にしたことがあるかも知れません。

簡単に決められる話ではないので、まずはしっかりと時間を割いて話し合いをする必要があります。

話し合うポイントを見ていきましょう。

不妊治療の苦労

自然に子供に恵まれた人には、不妊治療の苦労を理解するのは難しいと思います。

話には聞いていても、自分で経験していないのでわからないのも無理はありません。

どれほどの痛みを感じ、どれほどのストレスを感じながら不妊治療を受けているのか、理解する努力は必要だと思います。

「私には関係のないこと」だという気持ちが心のどこかにあれば、義理の姉妹になったとしてもどこか他人事としてしか感じられないのです。

同じ女性として、母親になりたいと願う気持ちは理解できるはずなので、不妊治療しても結果が出ないのは、どれほど悲しい気持ちになるのか想像しながら接してみてください。

子供の気持ち

3人目の子供を産むのなら、子供のできない私たち夫婦の子供として養子にしたいというのは、なかなか言い出せることではありませんよね。

いくら身内でも、それはとても大きくて深い問題です。

親としては、1人目だろうと10人目だろうと、自分たちの子供として誕生したのだから、愛情を注いで育てるものです。

しかし、子供を望んでも恵まれない人には、その気持ちを察する余裕がないのだと思います。

親としての愛情を理解してもらうために、母親がどれほど苦労して子供を産むのかわかってもらう必要がありますが、それを子供に恵まれない人に伝えるのは難しいことですよね。

経験したくてもできないのに、それを理解しろと言われても・・。

だからこそ、子供たちとの絆の強さを自然な形で見せながら理解してもらうしかありません。

子供に精いっぱいの愛情を注いでいる様子を見ていれば、簡単に養子に欲しいなんて言えなくなると思うのです。

同情で流されない

もしも夫の姉妹が子供の恵まれなかったとしても、姪や甥を養子に迎えたいと言い出すのは、滅多にあることじゃないです。

家業を継がなければいけない長男夫婦に子供がいないとか、伝統を継承する家の跡取りがいないとか、そういうケースではあるかも知れません。

ですが、一般家庭ではあまり考えられないと思います。

それでも小姑からお願いされれば、冷たく突っぱねるわけにもいかずに困り果てるでしょう。

子供の恵まれない苦しみを身近に見てきたのなら、尚更だと思います。

ですが、大人たちが勝手に話し合って決めたことで、子供の人生が変わることを忘れてはいけませんよね。

自分が知らないところで、実の親から引き離されていたことを将来知ることになれば、その時に大きなショックを受けることも考えられます。

子供の気持ちを先ず第一に考えれば、簡単に子供を養子にするという結論は出せなくなるのではないでしょうか。

付き合いを疎遠にしない

今回のようなケースで家族の中で嫌な空気が流れるのは、ほんとに避けたいことですよね。

誰も悪くないけれど、誰も幸せにもなれない結果になるなんて、悲しいことです。

今回と似ているけれど、まったく違う結果になったケースをご紹介します。

長女、長男、次女のうち、長女夫婦にだけ子供に恵まれませんでした。

長男夫婦には3人、次女夫婦には2人の子供がいます。

長女は不妊治療を5年ほど続けましたが、成功しないまま諦めて、夫婦だけの生活を楽しむことに決めました。

それでも正月やお盆に実家に集まると、姪っ子や甥っ子に会うと複雑な気持ちになっていました。

まだ幼い姪っ子が「わたしはおばちゃんのところの子になりたい」なんて言ってくれるほど懐いてくれたりすると、「養子にしたい」と喉元まで出かかったこともあったそうです。

しかし、いくら甘えてくれても、眠くなると母親にしがみついている姪っ子を見ると、やはり母親から引き離すことなんてできないと思い直します。

次第に姪っ子や甥っ子が成長すると、子供のいないおばさんの家は、ちょっと息抜きしたい時に最適な別荘感覚になってよく遊びにくるようになります。

思春期には恋の相談をしたり、親には話せないけど、大人に話を聞いて欲しい時に頼りにしてくれるようになります。

ある時、大学生になった姪っ子が真面目な顔をして「もしもおばちゃんたちが老後に困ったら、私たちがいるから安心してね」と言ってくれた時には泣いてしまったそうです。

姪や甥に愛情を注いできたことを、ちゃんと受け止めてくれたことが嬉しかったのでしょう。

そして、子供のいない姉夫婦のことを気遣えるような人間になるように、ちゃんと子供たちに言い聞かせてくれたであろう弟と妹にも感謝しかなかったと。

たとえ子供がいない夫婦でも、姪や甥がいるのなら、その子たちが肉親として頼ってくれるようになれば、それだけで孤独感に苦しむ気持ちは薄れるのではないでしょうか。

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不仲になったケース

私の身内にも、子供のいない叔父がいます。

母方の長男である叔父夫婦は子供に恵まれず、何度か妊娠しても早期流産を繰り返して、子供を諦めました。

今のように不妊治療を専門に行う病院もなく、自然妊娠が望めないのなら、諦める人が多かったのです。

母方の叔父は次男もいて、次男夫婦には長男、長女、次女、三女と4人の子供に恵まれました。

子供がいない長男の叔父は、幼い姪や甥をとても可愛がりました。

そして弟に「三女を養女にしてくれないか」とお願いしたのです。

「懐いているし、近くに住んでいるからいつでも会えるから大丈夫だろう」と兄に言われて、弟は激怒して断ります。

「子供は犬や猫みたいに簡単にあげることなんてできない」と言って、それ以降は子供たちを兄夫婦に接触させるのを嫌がるようになります。

そして、兄弟は冠婚葬祭で顔を合わせばピリピリしたムードになります。

私の母が余命宣告されて入院していた時でさえ、どちらかがお見舞いに来ている間は病室の外で待っているほどの不仲状態でした。

長男の叔父が「養女に欲しい」と口に出してしまったことで「子供をとられてしまう」という気持ちになり、子供たちと会わせないようにしたので、やはり言うべきではなかったのでしょうね。

前述のケースのように、口に出さずに姪や甥に愛情をしっかり注げば、自然に慕ってくれるようになったはずです。

姪や甥とのつながりを持てなくなってしまったのは、とても悲しいことだったでしょう。

しかし、双方の気持ちもわかるので、周りの親戚たちもどうしていいのかわからないまま時間だけが過ぎてしまったのです。

子供を作りにくい空気

今回の問題は、不妊治療しても上手くいかなかった夫の姉夫婦から、「三人目を産むなら養子にして欲しい」と言われて困っているということです。

しかし、もっと困るのが、不妊治療している親族がいるのに、「何人も子供を作るのは無神経」だとか「少しは遠慮して欲しい」などと言われることです。

たしかに不妊治療を長く続けていると、妊娠している女性を見るのがつらくなったり、赤ちゃんを抱っこしているママを見ると苦しくなるという人も少なくありません。

「なぜ私には・・・」と泣きたくなる気持ちになるのは理解できますよね。

だから、せめて家族ならその気持ちを理解して、子供を次々に作らないで欲しいと言いたくなる気持ちもわからなくはありません。

もちろん、そんなことを言うのは理不尽な話だとわかっているはずなので、まともに受け止める必要はないのですが、そこまで言うほど追いつめられてしまうのです。

そういう気持ちになるほど、子供が欲しいのに生めないことは精神的なダメージを負ってしまうので、周りの接し方も難しくなります。

考えてみれば、「子供を生まないで」と言われるよりも、「子供を養子にして欲しい」と言われる方が、まだ救いがある気すらしますね。

まとめ

不妊治療をしている人が近い親族にいるとしても、それを理由に自分たちが子供を作らないようにするなんて、まったく必要のない遠慮です。

子供を親から奪うことはできません。

家族の核は夫婦なので、まずは他の家族のことではなく、自分たち家族が幸せになることを最優先に考えてくださいう。

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