姉妹格差とは、幼い頃から親の愛情に格差を感じたりすることや、姉妹の間で勉強やスポーツなどの才能に差があることで格差を感じるということです。
男同士の兄弟でも同じようなことはあるようですが、兄妹姉弟など異性同士よりも姉妹、兄妹の方が強い格差意識を感じる傾向があります。
とくに女性同士の姉妹では、心に深い傷を残してしまうことがあるようです。
姉妹格差に傷ついた心を癒やすことなく成長すると、大人になってからも家族間でしこりになることがあるので、姉妹格差について考えてみましょう。
姉妹格差の理由
姉妹格差といっても、理由は色々あるでしょう。
ちなみに私も1歳違いの姉がいて、姉妹格差を感じながら成長してきました。
格差の理由は一つではありませんが、姉妹格差で傷ついたり悩んでいる理由として多いケースをまとめています。
親の愛情
姉妹格差として一番心に傷を残してしまうのは、親の愛情に差を感じることです。
親も人間なので、同じ子供でも全く同じ愛情のかけ方はできません。
それでも子供はそんなことわかりません。
同じ子供なのに、なぜ自分には・・と思ってしまうのです。
私は姉が病弱だったので、母親の愛情は姉に向いていて、健康だった私はあまり構われなかったような記憶があります。
1歳違いなので、母親は病弱な姉のことで精いっぱいだったのだと思うのですが、子供の頃は寂しかったです。
容姿の違い
姉妹格差がコンプレックスとして残るのが容姿の格差です。
幼いころから「お姉ちゃんは可愛いねェ」とか言われ続ければ妹は傷つきます。
容姿の格差については、成長段階で周囲から容赦なく傷つけられますから、せめて親だけは容姿の違いで傷つけないでほしいものです。
お金の使い方の格差
年齢が近い姉妹の場合は、姉の洋服のお下がりしか着させてもらえないとか、いつも新しいものを買ってもらえるのは姉ばかり・・。
その記憶は「愛されていないのかも」と思わせてしまうことがあります。
学力の差
子供の学力を比較するのは、親としては頑張ってもらうための激励のつもりなのかも知れません。
ですが、姉妹の間に学力の差が開いてしまい、それを比較されるとやる気になるよりもやる気を失ってしまうことがあります。
同じ親から生まれて、同じ環境で育っているのに学力に差が開くのは、生まれつき頭が悪いからなんだと思い込んでしまう子供がいるのです。
才能の有無
一流アスリートとして活躍している人たちは、兄弟姉妹も同じ競技を幼い頃からしていることが多いです。
例えばフィギアスケートの浅田舞、浅田真央姉妹は有名ですが、村上佳菜子さんも少し年の離れたお姉さんが先にフィギアスケートをしていたそうです。
二刀流でメジャーに挑戦している大谷翔平さんにも野球選手のお兄さんがいます。
大谷選手のお兄さんはプロには進まず、社会人野球をしていますが、きっと幼い頃は大谷翔平さんの目標の存在だったのではないでしょうか。
このように同じ競技を姉妹や兄弟で始めることは普通にあることですが、そこには才能の差が残酷に現れてきます。
浅田姉妹は、幼い頃は姉妹でバチバチのライバルだったようですが、真央さんの才能がどんどん花開くうちに舞さんは競技者としての自信を失っていったのです。
もしも違う競技をしていれば、また違う結果になったのかも知れませんが、妹は姉がやっていることを真似したがるものですから、自然なカタチで同じスポーツをするわけです。
才能に差が出てくると、そこに親の期待の格差も生まれます。
才能のある子供の方に手をかけ、時間をかけ、お金をかけるようになると姉妹格差の傷は残ってしまうでしょう。
結婚相手の格差
姉妹が結婚した相手によって差が生まれると妬みやひがみが生まれることになります。
子供の頃には感じなかった姉妹格差を、大人になって感じてしまうこともあるわけです。
結婚相手の実家が裕福だったり、医者や弁護士など憧れられる職業だったり、高収入であったり・・。
同じ姉妹でも結婚相手の違いで生活水準に大きな差が生まれることになると、親の態度すら格差を感じることもあるのです。
孫に対する姉妹格差
孫はみんな可愛いのは当たり前だと思われていますが、同じ孫でも違うようです。
うちの親が実際に言ったことなんですが、私が生んだのは初孫で、すぐに離婚したため実家の親が面倒を見る時間がとても長かったので、ホントに目の中に入れるんじゃないか?と思うほど可愛がってくれました。
1歳年上の姉が私よりも2年後に第一子の女の子を出産しましたが、その子に対しては明らかに態度が違いました。
冷たいわけじゃないし、可愛がっているのですが、温度差があるのは明らかでした。
その態度の違いは、姉の心に深い傷をつけてしまったようです。
姉妹格差の感情は当たり前のこと
姉妹格差でひどく傷ついたまま大人になると、その心の傷が家族とのコミュニケーションに影響してしまうことがあります。
親が姉妹を比較して傷ついたとしても、自分が大人になると「親もまだ未熟な人間だったんだな」と思える時期がやってきます。
自分が子供の親になると、親に対してのわだかまりはほとんど消えてしまいます。
子供にとって親は完璧な人間だと思っているのですが、実際に自分が親になると、未熟でダメダメな部分が山ほどあるのに必死で子育てしないといけないので、その時の親の気持ちがわかるようになります。
それでも許せないと思うのなら、親にその時に受けた感情をストレートにぶつけてみましょう。
姉妹や兄弟は子供が一番はじめに経験する社会なので、その影響は大きいのですが、実際は姉妹格差は双方が感じて言うことがほとんどなんですよ。
「アンタの方が可愛がられてたよね」
「お姉ちゃんの方がいつも可愛がられてたよ」
とお互いに思っていたことがわかると雪が解けるようにわだかまりがなくなっていきます。
姉妹格差の傷を癒やす方法は一つではないと思いますが、まずは親子、姉妹で話すことが大切ではないでしょうか。
まとめ
姉妹格差って嫌な言葉ですよね。
格差なんて無いに越したことはないのですが、それは難しいのです。
同じ親から生まれた姉妹でも、同じ人間ではありません。
全く同じように愛されたいと願っていても不可能だということを理解すると傷は治っていくと思います。