共働き世帯が増えている一方で、核家族化もすっかり浸透しているので、お孫さんと一緒に暮らす祖父母の方たちは少なくなっているでしょうね。
ですが、やはりおじいちゃん、おばあちゃんの存在は頼りになります。
保育園に預けられない時や、親が病気になった時など、祖父母のサポートがあると助かりますよね。
学校が休校になるような時にも、働かなければいけない親に代わって孫の世話したおじいちゃんやおばあちゃんもいます。
しかし、一緒に暮らしていない孫を預かる時には、少し気を付けておきたいことがあります。
親が一緒に遊びに連れてくるのとは違うので、事前に預かる準備を整えておくことは重要なことです。
今回は、祖父母が孫を預かった時に起こりやすいトラブルや事故の例をまとめてみました。
孫を預かる前のチェック
孫の年齢によって注意点は違いますが、やはり年齢が小さければ注意しなければいけないことが多くなります。
どのようなことを注意すべきか、見ていきましょう。
誤飲や誤嚥
小さな年齢のお孫さんを祖父母の家で預かる時に起こる事故として多いのが誤飲や誤嚥です。
幼いお子さんがいる家庭では、薬や洗剤などはお子さんがさわれないように対策していると思います。
しかし、普段は一緒に生活していないと、隅々までの対策ができていないかも知れません。
小さなボタン電池や文房具なども危険です。
幼い子供はとにかく何でも触りたがりますし、口に入れてみようとします。
間違って口に入れてしまうと大変なことになるので、お子さんが簡単に触れられる場所には余計なものは置かないように気をつけましょう。
収納しても、開けてしまうかも知れないので、扉ストッパーなどで対策することも必要です。
100円ショップでも売っていますので、お孫さんを預かる機会が1度でもあるなら準備しておくに越したことはありません。
誤飲ではなくても、誤嚥も気をつけたいことです。
誤嚥とは、食べ物を口に入れた時に上手く飲み込めずに気管に入り込んむせてしまうことです。
誤嚥性肺炎を起こしてしまうかも知れないので、お孫さんに食事を与える時やおやつを与える時は、むせて咳き込んだりしないか、そばで見守ってあげてください。
豆菓子などの誤嚥が多いので、注意しましょう。
転倒によるケガ
まだ歩き始めたばかりの年齢のお子さんは、少しの段差などで転びやすいものです。
転ぶだけならそれほど心配はないのですが、家具の角などで頭をぶつけたりするとケガをしてしまいます。
家具の角にクッション性のあるものでガードしておくと、安心してお孫さんを遊ばせられるでしょう。
これも100円ショップなどで探せば見つかります。
もしもなかった場合は、梱包材などを利用しても良いと思います。
私の実体験ですが、まだ2歳になる前の息子を実家に連れて行った時のことです。
うちの父親が息子を庭で遊ばせていました。
車の通る道に面していないし、門を開けないと敷地の外には出ないので、それほど危ないとは思っていなかったのです。
ところが、息子は庭で転んでしまいました。
運悪く、転んだところはレンガで囲った花壇の近くだったので、レンガの角で額を打ってしまい、ぱっくり切れてしまったのです。
頭なので傷が開きやすいため、すぐに救急で受診して縫合してもらいました。
小さな子供が転ぶと、頭が重いので手足よりも頭部や顔面を打ちやすいのですよね。
父は自分がそばにいたのに孫をケガさせたことで、とてもショックを受けて落ち込んでいました。
父には責任はないのですが、ショックだったと思います。
処置を受けて病院から戻ると、庭のレンガや石はすべて掘り起こしてありました。
そういう気持ちにさせてしまったことも申し訳なく感じましたから、お互いのためにも「まさかこれは大丈夫だよね」という油断は禁物だと痛感した記憶です。
自動車などの事故
自宅の敷地内でも、自動車事故で幼いお子さんがケガをしたり、命を落としてしまう悲しい事例はあります。
駐車場から車を出す時など、くれぐれも注意しなければいけません。
小さなお子さんはミラーで確認しても見えない死角に隠れやすいので、細心の注意を払うようにしてください。
高齢者の交通事故が社会問題になっていますから、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故などを防ぐ安全装置も普及しています。
ですが、小さな子供は予測不可能な動きをしますから、どんなに安全装置が進化しても100%ではありません。
できればお孫さんを預かっている間は、車の出し入れの際に外には出さずに、必ず誰かがそばについているようにしてください。
ペットによる事故
おじいちゃん、おばあちゃんの家で飼っている犬や猫に噛まれたり、引っかかれたりしてケガをする事例もあります。
一緒に暮らしていないお孫さんが遊びにくると、ペットがやきもちをやいてしまうこともあるからです。
いつもは絶対に人を噛んだりしないおとなしいペットでも、お孫さんの存在に動揺してしまうかも知れません。
十分に時間をかけて慣れるまでは、お互いのためにケージに入れたり、部屋を別にしておいた方が良いと思います。
小さな子供が苦手な動物は意外と多いので、いつも穏やかでおとなしいからといって過信しないでくださいね。
アレルギー反応
食品アレルギーがあるお孫さんを預かる場合は、食べさせてはいけないものをしっかり確認しておきましょう。
少しくらいなら大丈夫だろうと油断してしまうと、アナフィラキシーショックを起こしてしまう危険があります。
おやつや食事に関しては、アレルギー食に詳しくないと難しいと思うので、お弁当を持参してもらったり、問題のない食材を使ったメニューのレシピを作ってもらうとより安心ですね。
また、前述でもペットのことに触れましたが、動物アレルギーの有無も事前に調べられるので、安全のためにチェックしておくことをおすすめします。
犬や猫だけじゃなく、ハムスターやウサギ、小鳥などのアレルギーもあります。
今まで大丈夫だったとしても、花粉症のようにある日を境にして発症することもあるので、事前に調べられることはチェックしておくと安心だと思います。
医療機関のチェック
孫を預かる時は、どんなに短い時間でも何があるかわかりません。
もしも孫が近くに住んでいるのなら、かかりつけの医療機関は必ずメモを取っておきます。
保険証や診察券のコピーとっておくと安心ですね。
短い時間でも、突発的なケガや病気のことも考えて、万全の準備をすることが大切です。
何か体調に問題が起きたり、ケガした場合はパニックになってしまうかも知れません。
そういう時のために、応急的にできることなどを調べてリストにしておくこともいざというときに役に立つのではないでしょうか。
もちろん、まさかのことがないに越したことはないのですが、大切な孫を預かるためには、そういう準備も必要だと思います。
子供の目線になってチェックする
最終的に危険な箇所に事故防止策をした後には、かならず子供の目線になって確認しましょう。
大人の目線からではわからない危険個所が見えるかもしれません。
「まだ歩けないから」
「ドアの開け方もわからないはずだから」
このように考えていると危険です。
子供の成長のスピードはとても速いのです。
昨日できなかったことが今日いきなりできるかも知れないので、最終チェックは入念にお願いします。
孫を預けてもらえない
今回は大切なお孫さんを預かるときに注意しておきたいことをまとめました。
もしもお孫さんを預かったときに、運悪くケガをしてしまったりすると、今後は預けてもらえなくなるかも知れません。
そういう場合は、一緒に家の中をチェックしてもらうといいですね。
ただ、今まで一度も孫を預けてもらった経験がなく、なぜ預けようとしないのか・・と思っていらっしゃるおじいちゃん、おばあちゃんもいますよね。
信用されていないのか、それとも孫に嫌われているのかなど、ネガティブなことばかり考えてしまうでしょう。
ですが、自分の子供を簡単に預けられないというのは、親としての当然の気持ちではないでしょうか。
ホントに困っているのに、それでも預けようとしないのなら、何か意地になる原因があるのかも知れません。
険悪な関係になっているわけじゃないのなら、「いつでも遊びにきてね」と気軽に顔を出せるような雰囲気を作ることが大切です。
孫を預けてくれないことで、寂しさを感じているかも知れませんが、きちんと家族として暮らしていこうとしているのなら、それは喜ぶべきことです。
もしもホントに困ったときに、いつでも預かれるように、注意点をしっかり頭に入れておきましょう。
まとめ
お孫さんを預かる時に注意しておきたいことをまとめてみました。
細かい注意点をあげたらキリがないのでしょうが、大切なお孫さんのためには用心に用心を重ねるくらいに考えるくらいでも足らないかも知れません。
子供を育てながら働かなければいけない現役世代にとって、おじいちゃんやおばあちゃんのサポートはとても助かります。
安心して任せられるのなら、保育園や学校を休ませなければいけない時でも助けてもらえるのは感謝でしょう。
お互いの安心のため、そして何よりもお孫さんの安全のために、注意点の確認は怠らないようにチェックしてくださいね。