人柄や性格ってそうそう変わるものじゃありません。
余程のことでもない限り、人間の性格なんて変えられません。
でも、急に性格が変わってしまう人もたまにはいますよね。
それは何らかの病気によって性格に変化が出てしまったのかも知れません。
感情のコントロールが難しくなるような原因が、体のどこかで起きているとすれば、その人の気持ちだけではどうにもならないこともあるのです。
私の場合はバセドウ病の影響で、周りの人(家族や友人)から性格の変化を指摘されたことがあります。
バセドウ病だと診断された人、または親しい人がバセドウ病だと知らされたら、カラダだけじゃなく、性格にも影響が及ぶことも知って欲しいと思います。
私は医療関係者ではなく、単なるバセドウ病患者なので、医学的な知識について説明している内容ではありません。
同じ病気を抱えている人や、その家族や友人などに知っていただけたらと思っています。
性格が怒りっぽくなる原因
性格は簡単に変わらないのですが、何かのきっかけで変わることがあります。
そのほとんどは自分自身の努力や意識によって、性格が変わったように見えるだけで、根本的には変わらないと思います。
もしも自分の意識に反して性格が変わったように感じるとすれば、それは精神面に影響を及ぼす病気の疑いも考えなければいけません。
私が長年付き合っているバセドウ病も、個人差はありますが、攻撃的になったり怒りっぽくなることがあるのです。
バセドウ病とは
まずはざっくりとバセドウ病についてご説明します。
バセドウ病は、甲状腺機能亢進症の代表的な病気です。
この病気を見つけた医師の名前からバセドウ氏病となり、現在はバセドウ病が一般的です。
甲状腺は喉仏の下にある小さな臓器です。
ここから新陳代謝のために必要な甲状腺ホルモンを分泌します。
バセドウ病は、体内に甲状腺を攻撃するTRAbという抗体が増えてしまい、甲状腺機能が異常に活発になって新陳代謝が通常よりも激しくなってしまう病気です。
身体に症状が出ると同時に、精神的な面でも影響が出ることは私以外の同病の方に聞いても少なからず感じている方がいます。
軽い症状では元気いっぱいで明るい
バセドウ病の症状が軽いのか重いのかは、血液検査をして甲状腺ホルモンの数値から判断します。
甲状腺ホルモンが異常に出ていると重症、少し多いかな?くらいだと軽症です。
発症した時からいきなり大量の甲状腺ホルモンが出る場合もあるそうですが、私は症状が出始めてから診断が下るまでに4か月くらい経っていましたから、いったいどのくらい前か発症していたのかわかりませんでした。
ただ、元気だったことは間違いありませんでした。
休日にも家にじっとしていられなくて、どこか出かけたくてうずうずしたり、急に思い立って一人で電車に乗って遠出してみたりと元気ハツラツ!とした感じの時期がありました。
自分で想像すると、この頃から初期の症状が出ていたのだと思います。
でも血液検査しなければわかりません。
甲状腺が腫れて、見た目にわかりやすい人もいるそうですが、私はその症状に気がつかなかったです。
重くなってくると攻撃的になる
バセドウ病と気がつかないまま、何となく体調に変化が出てきたことを感じ始めた頃は、とてもイライラして攻撃的な性格になってしまったと感じていました。
汗っかきになって、暑がりになって、疲れやすくなって、イライラする。
この症状から自分では「早期の更年期障害が始まってしまった」と判断しました。
更年期になるとイライラして怒りっぽくなるというのは母親の様子を見ていてわかっていたので、自分にもそれが始まったのだと思い込んでいたんですよね。
当時の私は再婚した夫が急に家出して、別居だ離婚だと大騒ぎしていた頃です。
ストレスでホルモンバランスを崩してしまったことが早期更年期障害の原因だと勝手に思い込んでいました。
家族や友達にも怒りっぽくなっていたし、仕事をしていても些細なことでイラっとして顔に出やすい状態だったと思います。
この時期に2人の友達を失ってしまった・・。
それは今でも後悔しています。
新陳代謝が異常に激しくなっているということは、それだけアドレナリンも出やすい状態になっていたはずなので、怒りっぽくなったり、攻撃的になるのもそのせいではなかったのかと思っています。
医師もイライラしている状態はバセドウ病の症状としてよくあることだと言っていました。
バセドウ病との向き合い方はこちらも参考にしてください。
治療を始めると落ち込みやすくなる
バセドウ病の診断って血液検査をすれば簡単なことなのに、医師によっては甲状腺に異常が起こっていることに気がつかない人も多いようです。
私は半日ドッグを受けても甲状腺の異常とは診断されずに、肝臓や心臓の異常があると言われて精密検査まで受けました。
それでも心臓や肝臓の異常の原因が判明せず、街の開業医に見つけてもらいました。
その時には甲状腺を攻撃する抗体も、甲状腺ホルモンの量も測定範囲を超えているような状態でした。
ただじっと寝ているだけでも心臓がバクバク激しく動き、汗が流れて出てきます。
すぐに薬を飲む治療が始まり、症状は徐々に落ち着いてきてホッとしていたのですが・・・。
急激に新陳代謝を鎮めるので、急に元気がなくなってしまいました。
青菜に塩?という感じでしょんぼりした気分になってしまうことが増えました。
それに薬を飲み始めて数か月でブクブクと太ってしまうので、人に会うのもイヤになって家に閉じこもりがちになりました。
考え方も急にネガティブになって、悪いことばかり想像しては一人で泣いてしまうことも増えたように思います。
この時期には、友達にも会いたくなくなってしまいました。
数年前にうつ病を経験していたのですが、うつ病の時に近い状態だったので、うつの治療も並行した方が良かったのではないかと思っています。
バセドウ病の治療中のメンタル
バセドウ病になってから、自分でも別人のような性格になっていた時期があることを実感しています。
振り返ってみるとよくわかるのです。
それから3回も再発していますが、2度目の再発の時は家族と大喧嘩を何度もした記憶があります。
バセドウ病は完治しない病気なので、長い治療期間には身体だけではなく心の症状も自己管理できるようにならないと、周りの人を傷つけるので注意が必要ではないかと思っています。
孤独に陥りやすくなる
バセドウ病の治療を長くしている間には、家族から「病気が悪くなると性格も悪くなる」なんてショックな言葉を言われたこともあります。
もちろん相手の人間なので、ケンカしている間には傷つける言葉を発してしまうこともあるでしょう。
ですが、バセドウ病のせいで性格が怒りっぽくなった経験があると、その言葉によって人とのかかわりを避けたくなってしまいます。
友達とも会わないようにして、新たに知り合った人がいても親しくならないように壁を作り、家族と必要最低限の会話しかしない日々を何か月も続けるようになってしまった経験もあります。
寂しいけれど、病気のせいで大切な人を傷つけて、嫌われてしまうよりも孤独に耐える方がマシだと思ってしまうのです。
性格が怒りっぽくなってしまう時期があったとしても、それが本人の意図することではないという理解を深めてもらいたいと願っています。
まとめ
私のバセドウ病経験から感じたことを書きましたが、みんなが私のように性格が変わって攻撃的になったりネガティブになるわけじゃないので、その点は誤解のないようにお願いします。
ただ、バセドウ病は女性に多い病気で、ホルモンに左右されて発症するのではないかと考えられています。
心にも影響を与えることも可能性として否定できないと思うので、自分のメンタルに向き合うようにしながら上手くコントロールできるようになりましょう。