このブログを書いている私は、シングルマザーの期間が長くありました。
私がシングルマザーになったのは20歳の時。
今から何十年前だろう・・。
その当時はアルバイト、パートをいくつも掛け持ちして何とか家計を維持していました。
実家の親の近くで生活していたので何かと助けられながらでしたが、それでもシングルマザーが家を買うなんて無理だと思っていました。
そもそも貯金もほとんどできなかったし、パート収入では自動車ローンすら借り入れできなかったので諦めていました。
情報や知識が乏しかっただけで、もっと調べれば方法は見つかったのかも知れません。
今は住宅ローンも借りやすいですよね。
金利がとても低いので、独身女性でも住宅を購入しやすくなっています。
そこで、母子家庭のシングルマザーが家を買うのはどの程度のハードルなのか調べてみました。
母子家庭が家を買う
母子家庭でパートの収入しかないのに、家を買うために住宅ローンを借り入れするなんて、その段階で「無理に決まってるでしょ」と言われると思います。
ですが、実際には母子家庭でも家を買っている例は山ほどあります。
私の知人にも、つい1年前にパート収入で3人の子供を育てながら新築戸建てを購入した人がいます。
彼女の場合は、離婚してから8年間実家暮らしをしていて、その間に生活費として親に5万円渡していました。
月3万円の養育費は全て子供の教育費として使っていましたが、かなり頑張って貯金をして自己資金を増やしたので、借入額は1000万円でした。
地域によって土地の価格は差が大きいので、借入額1000万円プラス自己資金で新築戸建てを購入できるのは限られたケースだと思いますが、不可能ではありません。
このケースでは、パート収入が年間240万円くらい。
ただし、会計事務所で5年以上の継続勤務があるので、安定した収入があると判断されたので審査が通ったと考えられます。
正社員であれば、もっと審査の基準もゆるくなるのかどうかはわかりませんが、審査する側は滞りなく返済できる点が一番の基準です。
パート勤務でも過去の収入を見てもらえば、安定しているのか判断できます。
よく勘違いされることですが、母子家庭だからローンが通らないことはありません。
要するに、安定した収入があることが基準になるわけです。
母子家庭のシングルマザーの場合は、育児と家事をしながら働くので、正社員よりも時間の融通が効くパート勤務が多くなります。
時給で働くパートの場合は、出勤日数や勤務時間で収入が大きく変動するので、収入が不安定だと判断されて審査に通りにくくなるのです。
母子家庭だから・・という理由ではないので、そこは誤解しないようにしましょう。
養育費は収入の一部か
シングルマザーの収入として、元夫からの養育費を合算して住宅ローンを考えているとしたら、それは怖い話です。
養育費ほど不安定なものはありません。
そもそも、養育費は子供が成人すればなくなるはずです。
元夫が仕事できなくなって収入が少なくなれば、養育費は減額されたり、受け取れなくなることもあります。
元夫が再婚して新しい家族を養うために減額を申し出ることだって考えられます。
現在、母子家庭世帯で養育費を毎月必ず受け取っているのはわずか20%程度です。
全く受け取っていない母子家庭世帯が半数を超えるほどなので、養育費はあてにしない方が良いでしょう。
児童扶養手当の受給について
世の中には母子家庭にはお金の補助があり、それは税金から払われているのだから、生活保護と同じだと考える人がいます。
ですが、母子家庭が受け取れる手当は生活保護ではありません。
よく言われる母子手当というのは、正しくは児童扶養手当のことで、母子家庭以外にも父子家庭でも所得に応じて支給されます。
親が病気で働けなくなったとか、それぞれの事情は違えど、子供の成長のために支給されるお金です。
母子家庭でも所得が高くなれば児童扶養手当はストップされます。
もしも母子家庭のシングルマザーが家を買うと、児童扶養手当を受け取れなくなるかと言えば、それは違います。
児童扶養手当は、前年の収入で支給されるか決まります。
全額支給、一部支給停止、全額支給停止と、収入で判断されるので、もしも少ない収入から頑張って節約してお金を貯めて、足らない額を住宅ローンで購入した場合でも、住宅取得が児童扶養手当に影響することはないのです。
ただ、現実的に考えると、家の頭金になるほど貯金できて、さらに住宅ローンの審査もクリアするほど収入があると、児童扶養手当を全額支給されるケースは少ないと思います。
母子家庭でも通りやすい金融機関とは
巷では、母子家庭でも審査がゆるい銀行があるとか言われます。
実際のところどうなのか・・というのは私たちには判断できません。
楽天銀行、じぶん銀行、イオン銀行、ソニー銀行などは審査がゆるいと言われていますが、それも確かなことではありません。
フラット35が利用できる物件を検討している場合は、パートや派遣、個人事業主など審査に通りにくい人でも借り入れできる可能性がありますが、取り扱う銀行によって基準が違うのでそれも確かな情報ではありません。
母子家庭でも、パート収入しかなくても住宅ローンの審査をクリアできるかどうかは、収入額、勤続年数、年齢、家族状況で違うのです。
金利が高いほど審査がゆるい、金利が低いほど審査が厳しいという説もありますが、これも確かなことではありません。
家を買うメリットとデメリットを考える
母子家庭になると、何が一番不安なのかといえば、収入面が安定しないことではないでしょうか。
子供の年齢が低ければ、正社員として働くことすら難しいと感じるシングルマザーは多く、パートや派遣社員、契約社員などの非正規雇用で収入を得ている割合が高いのです。
不安定な収入でも、住むところさえあれば何とかなるという気持ちから、無理をして不動産を購入することを考えるのもわかります。
民間の賃貸住宅で暮らしていると、家賃の負担が生活を圧迫するので、それであれば買った方が良いのではないか・・と考えるのは母子家庭に限った事ではないと思います。
購入を本気で検討するのであれば、まずはリスクを最低限にする方法をしっかり考えることが必要です。
不動産の価値は変動しにくいので、リスクは低いとも言われますが、住宅を所有すると購入費用以外にもお金が必要です。
もしも途中でローンを払えなくなった時には、不動産を売却すればそれで済むと思っている人もいますが、そんなに簡単ではありません。
母子家庭だから家やマンションを買えないわけじゃないとしても、購入するメリットが小さいのなら、まずは安定した収入を得られる手段を考えることが先だと思います。
安定した収入が得られるようになれば、金融機関のローンも通りやすくなります。
不安定さを払拭するために不動産を購入しても、安定が手に入るわけではないので、順番を間違えないようによく考えてくださいね。
まとめ
母子家庭でパートの収入しかなくても、家を購入しているシングルマザーは増えています。
正社員じゃなくても住宅ローンが組みやすくなっているので、本気で住宅購入を考えているのなら、まずは銀行に相談してみましょう。
店舗を持たない銀行でも、住宅ローンの相談は電話で直接話せるように窓口があるはずです。
1つの審査がダメでも粘り強く探して審査に通ったという例もあるので、諦める前に調べるだけでもやってみる価値はあります。
ただし、自分自身のこの先の収入の見込みが当てにならないのなら、無理は禁物です。
パート収入でも、この先に安定した収入を得られる確信を持てるまでは、計画と準備までに留めておいてくださいね。