夫婦が別れた時に、子供は母親と一緒に暮らすケースが多いのは今もそうです。
ですが、父親と一緒に暮らすケースも以前より増えています。
まだ母子家庭の割合が高いのは間違いないですが、父子家庭は今後も増えていくのではないでしょうか。
もしもあなたの息子さんが離婚して、父子家庭のシングルファーザーとして生きていくことになったときのことを想像したことはありますか?
親として、また孫たちにとっては祖父母として、何がしてあげられるのか。
もちろん、そんなことにならないに越したことはありませんが、心の準備として考えてみましょう。
シングルファーザーの家事能力
父子家庭も母子家庭も同じですが、仕事と家事と育児を全て一人でしなければいけません。
もしも離婚するまでに、家事を妻に全て任せていた人が、いきなり全ての家事を一人でこなすのは、かなり厳しいですよね。
シングルファーザーになると決まったのなら、その時から家事を全力で学ばないといけません。
仕事のように、誰かが教えてくれるものではありません。
そして誰かから評価されるものでもありません。
ですが、生きるために必要なスキルが家事なのです。
やはり男性も家事能力は必要だと思います。
シングルファーザーの育児能力
育児を妻に全て任せていたような場合は、父子家庭になる可能性は限りなく低いと思います。
ですが、もしも妻が亡くなってしまったとか、何か事情があって母親が子供を置いて離婚した場合は、父と子が真正面から向き合う生活が始まります。
家事を任せてきたような人は、育児も妻に任せっきりだったのではないでしょうか。
家事は学べば何とかなりますが、育児はそう簡単ではありません。
育児の能力がないのなら、いきなり全てを一人で背負うのは難しいと思います。
子供のためにも、誰かのサポートを受けることを考える必要があります。
祖父母のサポートのカタチ
娘が母子家庭になるのと同じく、息子が父子家庭になるのも親としては心穏やかではありませんよね。
すでに大人になった子供たちが、自分で決めたことだとしても、孫のことを考えれば、何かサポートできることがあれば、してあげたいと思うでしょう。
ただ、祖父母のサポートが逆に息子や孫たちに悪影響を与えることも考えられます。
良いカタチのサポートとはどのようなものなのか、状況ごとに考えてみます。
孫の世話
シングルファーザーになったからには、子供の世話は父親の責任です。
ですが、まだ年齢が幼い子供を父親が一人で育てるのは、とても大変です。
それまでの仕事を続けられなくなるかも知れません。
子供がある程度の年齢になるまでは、祖父母の力がとても頼りになるでしょう。
保育園の送迎など、部分的に祖父母が担当してくれるだけでも助かります。
孫が成長するまでの、ほんの一時のことなので、楽しみながらサポートできればお互いに幸せです。
家事のサポート
家事が苦手なシングルファーザーの家庭は、見るも無残な状態になりがちです。
家事を妻任せにしてきた結果なので、自業自得なのかも知れませんが、子供は被害者ですよ。
とくに食事面では、成長期の子供の健康に影響が出ると困ります。
毎日じゃなくても、食事の支度だけするとか、何日分かの食事を作り置きするなど、食べることだけでも不自由のないようにサポートしてあげましょう。
経済的な援助
シングルファーザーになるために、今までの仕事を退職して、アルバイトやフリーランスなどで収入を得ているケースはとても多いです。
女性が母親になって社会復帰しても、働き難いように、男性も育児しながら働くのは難しいのです。
育児と家事のために、融通の利く働き方を選ぶのは、父親としての覚悟を感じます。
ですが、収入は激減してしまい、生活が苦しくなるのも現実なのです。
経済的な援助によって、しっかりと育児と家事できるのであれば、孫が成長してもっと仕事ができるようになるまで助けてあげるのも1つのサポートだと思います。
同居する
孫の世話や家事の手助けなどは、近くに住んでいるからこそできるサポートです。
遠方で暮らしている場合は、経済的な援助しかできないと思います。
離れている孫のことが心配で心配で・・・、毎日気が気じゃないでしょう。
もしも可能であるならば、息子さんたちと同居する方法もあります。
息子さんの仕事のこと、孫の学校のことなど、話し合わなければいけない問題はあるので、簡単に決められることじゃないと思います。
ですが、両親の離婚によって寂しさを感じながら成長していく孫の心を、少しでも癒してあげられるのなら、考えてみても良いと思います。
サポートが裏目に出る可能性
大切な孫のために、祖父母としてできることをしてあげたいと思ってすることが、裏目に出ることがあります。
母親がいなくても、寂しい思いをさせずに暮らせるように力を尽くしていると、息子さんは父親としての責任感や自覚を持てなくなるかも知れません。
ただ仕事をして、お金を稼ぐだけで父親としての責任を果たしていると思ってしまえば、子供は親の愛情を感じられなくて寂しいのではないでしょうか。
できるだけのことをしてあげたい気持ちを無理に抑える必要はありませんが、孫の父親はたった1人です。
母親の愛情を受けられない寂しさは、簡単に埋められるものではないでしょう。
おじいちゃんとおばあちゃんの愛情に感謝していても、やはり親の愛も欲しいはずです。
息子さんが父親としての責任を感じなくなるほど、孫の養育全てを担うようなサポートは考えるべきではないでしょうか。
まとめ
世の中のひとり親世帯には、親族からのサポートを一切受けられずに暮らしている人たちもいます。
息子がシングルファーザーになったとしても、何もしない親もいるのです。
それでも父子が助け合いながら暮らせるのなら、そっと見守るだけでも良いと思います。
ですが、幼い子供は簡単に助けを求められません。
寂しさや苦しみを小さな胸に抱えて、じっと我慢しているかも知れません。
サポートが必要なのか迷っているのなら、まずはお孫さんが自分の気持ちを話せるような状況を作ってあげることからはじめてみましょう。
おじいちゃんやおばあちゃんに本音が言えるようになれば、どんなサポートが必要なのかわかるのではないでしょうか。