夫婦になってから、ケンカする時もあれば、幸せな時もあります。
同じ家で暮らしていると、ホントに色んな事が起こります。
でも、帰る家があることは安心できます。
ところが、ある突然何の前触れもなく夫が帰ってこなくなったら?
妻はパニックになってしまいますよね。
家出なのか、それともどこかで事故にでもあったのか・・。
そんな経験をすることは少ないかも知れませんが、私は経験してしまいました。
その経験から、夫が突然帰ってこなくなった時にどうするべきなのかお伝えしたいと思います。
仕事に行って戻らなくなった
まずは、私の経験したことをお伝えします。
その当時の夫とは結婚5年目でした。
ケンカもしますが、それでも休みの日には色んなところに出かけたり、旅行したりしていました。
結婚当初のようなラブラブ状態ではなかったけど、夫婦としての情は強まっていたと私は思っていました。
そんなある日。
3月3日の桃の節句の日でした。
いつものように私より30分くらい早く出勤していく夫を見送りました。
ほんとにいつもと何も変わらない様子でした。
そして私はその日の仕事を終えて帰宅し、夕食の支度をして夫の帰宅を待っていました。
ところが、いつもは20時前後に「そろそろ会社を出るよ」と退社メールがくるのに、21時を過ぎてもメールがありません。
何かあって残業なのかな・・。
そう思った私は、「残業なの?先にご飯食べちゃうね」とメールを送り食事を済ませて待っていました。
23時になり、24時になってもメールの返信もないので、さすがに不安になりメールではなく電話をしてみたんです。
すると・・・電源が入っていない。
これはいよいよ変だ!と思って夫の勤務先に電話してみたんです。
夫の勤務先は夜勤もある運送会社だったので、時間が遅くても誰かいるからです。
電話に出てくれた人が、夫の部署まで行って確認してくれたところ、夫はいつもよりも早い18時に会社を出ていることがわかりました。
そこで私は、夫が自分の意思で帰ってこなくなったのではないか?と思い始めました。
探す手段がない
夫が仕事に行ったきり帰ってこなくなったその夜。
明け方まで眠ることもできませんでした。
少しウトウトしたくらいで朝を迎えて、眠い目を擦りながら仕事に行きました。
仕事する気になんてなりませんでしたが、夫が自分の意思で出て行ったとなると、今後の生活のことが不安なので、仕事を休むこともできませんでした。
ですが仕事を定時で終えてから、私は誰にも相談しないままその足で警察署に向かいました。
もしも夫が自分の意思で家出したとか蒸発したとしても、行方不明であることは確かなので、捜索願を出すことにしました。
事情を話している時に、警察官の方から「大人なんだから大丈夫でしょ」とやんわりと「こんなことで捜索願なんて出すなよ」という空気を感じましたがそんなこと言ってられません。
家出したことが判明
警察に捜索願を出してから、自分の親族に行方不明になったことを伝えました。
親は驚いて、大騒ぎになり、夫の実家へも連絡しようとしましたが、それは私が止めました。
というのも、夫は実家の親と絶縁していたからです。
絶縁した理由は、家業を継ぐかどうかで揉めたことと、私との結婚を姑が大反対したからです。
夫の実家に連絡するのは、もう少し経ってからにしたかったのです。
何を言われるか想像すると怖かったんですよね。
とりあえず夫の携帯に警察に届けたことをメールしました。
それまでも「どこにいるの?」「どうして帰ってこないの?」「何かあったの?」とメールだけは一方通行でも送っていました。
もちろん返信はありません。
ところが、警察に届けを出したというメールに対してはじめて返信があったんです。
「しばらく帰らないから、探さないでください」と。
そしてその後、メールアドレスを変えられてしまい、メールを送ることもできなくなりました。
電話は着信拒否設定されているらしく、友達の携帯電話を借りて電話してみても、知らない番号だと出ることはありません。
完全にこちらからの連絡を拒否していることがわかりました。
自分の意思で家出したんだと確信するまでたった2日でした。
家出された後の生活費
夫が家出したことがハッキリしたので、私はこの先の生活について考えなくてはいけなくなりました。
共働きですが、私の収入だけでは家賃を払って生活するのは厳しい状況です。
どうしたら良いのか・・と考えている時に「夫は会社を辞めたのだろうか」と思いました。
家出しているから会社を欠勤していると思い込んでいましたが、もしかして辞めているのかも。
そう思って勤務先に確認したら、驚いたことに普通通り出社していたんです。
捜索願を出された人が!!
でも、「折り返し電話するそうです」と言って私の電話に出ることはありません。
そこまでするのか・・と私は怒りで震えました。
でも、そんなことよりも生活費のことを考えなくてはいけません。
夫の給与が振り込まれる口座は私が管理しているのですが、振込口座を変更されれば私にはどうしようもありません。
もう自分だけで解決できる段階ではないので、このような事態にどうするべきなのか、役所に相談にいくことにしました。
そこで弁護士の無料相談を受けることができました。
婚姻費用の分担義務
弁護士に相談してみると、夫のしたことは悪意の遺棄に当たる可能性があると言われました。
何の話合いもしないまま家を出て、その後の連絡を拒否すれば、家族が困ることを承知の上なので悪意があると判断されるだろうと。
そして生活費のことは、たとえ別居していても夫婦である間は生活水準に差が出ないようにするために、婚姻費用の分担義務というのがあるそうです。
例えばですが、
妻の収入10万円 夫の収入30万円だったとします。
この場合、夫の収入から10万円を妻の生活費にするとお互いに同じ生活レベルが保てるというわけ。
正当な権利なので、もしも義務を果たさない場合は裁判所に申し出ることができると知りました。
司法書士事務所でバイトした経験のある友人に手伝ってもらい、婚姻費用の分担義務を求める請求をまずは内容証明にして夫の勤務先に送りました。
その時点では、どこに寝泊まりしているのかわからなかったのですが、仕事だけは続けていたのは幸いでした。
その後、夫はやはり給与の振り込み口座を変更したので、私が指定した口座に自分の給料から13万円を振り込むようになりました。
とりあえず、夫が家出してから一番ホッとした瞬間でした。
お金のことだけが心配なの?旦那さんがなぜ帰ってこないのか考えたりしないの?
そんな非難の声もあると思います。
でも、まずは生活の基盤がグラグラでは怖くて何もできませんでした。
婚姻費用の分担義務というのは、夫の家出の件があるまで知らなかったことです。
そんなこと知らなくても生きられることが幸せなんですけどね。
まとめ
買い物に行ったっきり妻が帰ってこなくなったとか、散歩に行くと言って出て行ったきり夫が蒸発したとか、そんな話は私には無縁のことだと思っていました。
でもある日突然、私の身にも降りかかってきました。
最終的には、この時の家出夫とはしばらくの間別居生活をして離婚しましたが、別居期間中に離婚後の生活の準備をしっかりできたのは良かったと思っています。
夫が突然家出してしまうなんてことは、そんなに起こることじゃないと思いますが、万が一そんなことになった時は、自分の生活を守ることを第一に考えてくださいね。