結婚生活がスタートした時から、お互いに仕事をすることが分かっているのなら、リアルな生活がスタートする段階で家事分担についてしっかり話し合っておきたいですよね。
二人の生活が始まってから家事分担の割合が不公平になったり、どちらかに負担が偏って不満のないようにルールを決めておくのが理想です。
現実的には妻の方が圧倒的に負担が大きくなることが多く、お互いにフルタイムで仕事をしている共働き夫婦のうち、約80%の妻は家事分担の不公平感に不満を持っているようです。
ずっと共働きでもそんなことだとしたら、専業主婦だった妻が仕事を始めたり、産休・育休から仕事復帰する場合は、どうなってしまうでしょう。
一度でも家事を妻が100%担当してしまうと、簡単に「家事は女の仕事」と甘えてしまう夫が多いのではないでしょうか。
とくに専業主婦を長くしてきた場合は、夫はそれが当たり前になっているので、仕事を始めても家事分担するなんて考えてもいないケースもあるようです。
仕事するのはいいけど、家のことはきちんとやれよ
なんて言われたらどうします?
専業主婦を卒業して、仕事を始める前に決めておきたい家事分担のルールについて考えてみましょう。
まずは、専業主婦が仕事を始める理由によって、夫側のとらえ方に違いがあるようなので、そこから考えてみます。
専業主婦が仕事を始める理由
専業主婦だった妻が仕事を始めるには、何か理由があるはずです。
その理由を夫が理解していないと、家事分担が上手くできません。
しっかり説明できる理由なのか、家事分担について話し合う前に自分の頭の中でまとめておきましょう。
家計をラクにするため
夫の収入だけで生活するのが厳しくなった場合、妻が仕事をして家計を支えるのは夫婦なら当然のことです。
昔みたいに、男性の収入だけで生活できる時代ではなく、共働きじゃないと生活が厳しいのは珍しくありません。
給料が減らされたり、昇給がほとんどなくて収入が一向に増えないまま物価だけが上がり続けるのです。
徐々に圧迫されていく家計のことを考えて、専業主婦が「パートでもいいから収入を得たい」と思うのは理解されることでしょう。
ですが、男性は自分の稼ぎだけで生活できないことをなかなか認めたがりません。
とくに今まで専業主婦で何とかなってきたのだから、
やりくりの工夫次第で何とかできるはず!
と反対することも考えられます。
このような人には、具体的に数字にして家計の苦しさを認識させる必要があります。
家計簿をつけているのなら、そこから不足分を計算します。
貯蓄や教育資金、万が一の保険など、生活費以外に残したいお金のことも説明して、感情ではなくデータで示すことです。
教育費のため
子供にかかる教育費の負担が大きいのは、世界でもトップクラスの国なので、子供が2人以上いると夫だけの収入で十分な教育を受けさせるのが難しい世帯がほとんどです。
格差社会の現状が浮き彫りになることですが、ほんの一握りしか高学歴、高収入の道を継承させることができないのが現実です。
夫婦が共働きで必死で稼いで、住宅を購入し、子供に十分な教育を受けさせている割合が大半ではないでしょうか。
学校勉強だけでは十分とは言えないのも悲しい現実です。
夫の収入だけで生活はできたとしても、子供の教育費のことを考えるともっと収入を増やさないといけないことを理解してもらいましょう。
具体的に習い事や塾の月謝の金額、私立の学校に行くことを想定した大学までの教育費の試算を数字で示して話し合うと良いですね。
老後資金を作るため
子供のいない夫婦も増えていますし、子供がいても将来の親の面倒を子供に頼りたくないと考えるのなら、老後のための生活資金を準備することは大切です。
これから超高齢化の社会になる一方なので、年金制度も今より良くなることはありません。
老後の生活資金として1人1000万円でも足りません。
公的な生活支援の頼ること前提ではなく、自分たちで自立した老後を送るためには、20代から老後の準備を始めないと間に合わないくらいです。
生活はできるけど、少しでもゆとりのある老後を迎えるために必要な生活資金を試算してみましょう。
老後の生活資金にいくら必要なのか、試算できるサービスを利用してみると計算が苦手な人でも簡単にできると思います。
番外編
大きな声では言えないけれど、女性なら共感できるのが「将来は離婚したい」と心の中で決意していて、その準備のために仕事をしたいと考えるケースです。
仕事をしてみると、家庭に対する考え方が変わることもあるので、離婚は絶対ではないとしても、いつ離婚してもその後に露頭に迷うことがないように、お金を貯めておきたいから仕事を始めたい・・。
その場合はお金のことを前面に出せないかも知れません。
ですが「暇だから仕事でもしようかな」とか「好きなことに使えるお金が欲しいから」なんて理由で仕事を始めると言っても家事分担の話しを聞いてくれるとは思えません。
生活費の足し、老後の資金、教育費など他の事に理由をつけて仕事を始める理由としてまとめてみましょう。
家事分担のルール作り準備
まずは、家事分担のルールを考える準備として、今まで専業主婦だった妻がしてきたことを可視化します。
可視化するには、専業主婦の一日のタイムスケジュールを細かく作ると効果的です。
夫のタイムスケジュールと自分自身のタイムスケジュールを作り、家事分担を話し合います。
それまで仕事しかしていない夫は、帰宅後のタイムスケジュールはがら空きのはずです。
そこに担当できそうな家事をはめ込んでいくと話し合いやすいでしょう。
家事の指示書を細かく作成
夫と家事分担の話し合いが上手くできたとしても、実際に夫が家事を担当すると不満を抱えることも出てくると思います。
とくに専業主婦を長くしてきた人は、家事に対するこだわりが強くなることもあるので、夫に家事をしてもらっても逆にイライラしてしまい、結局は自分だけでやった方が良いと思ってしまう女性が多いです。
でも、そこで「もういいよ、私がやるから」と言ってしまうのは自分を追いつめることになります。
最初はイライラしても、そこを任せてグッとガマンできるようにならないと、仕事と家事を上手くこなすことができなくなります。
家事分担を上手く続けるためには、家事の指示を的確に細かく、わかりやすく伝えることが大切です。
箇条書きにして家事を書き出すだけではなく、手順まで細かく指示書きすると夫も慣れない家事に戸惑うことが少なくなるでしょう。
一例としては、洗濯の方法です。
ただ洗濯機に入れて洗剤を入れてボタンを押すだけじゃなく、衣類がきちんと整った状態で着られるのは、このような細かいこだわりを持って洗濯をしていることがわかると思います。
ですが、口頭で伝えても、興味のない男性は直ぐに忘れます。
同じことを何度も伝えないといけないのはイライラするだけなので、指示書として書いて洗濯機の上などに貼って慣れてもらいましょう。
細かい家事の手順を指示書にするだけでもかなりの時間と労力が必要だと思います。
その時点でめんどくさくなってしまえば、結局は自分が苦労するだけなので、仕事を始める前から大変だと思いますが、そこは頑張りましょう。
まとめ
専業主婦の方が仕事を始めるのは、仕事に慣れることだけでも精一杯になるほどスタート時はストレスを感じると思います。
そこに家事分担が上手くできないと、ストレスが爆発してしまうことも考えられます。
仕事を始める前に、家事分担の必要性をしっかり話し合うことを避けないように粘り強くルールを決めましょう。