昔の女性は、ある程度の年齢になれば結婚しなければ生きられないような空気だったのだと思います。
それは、女性が働いてお金を稼ぐ手段が少なかったので、仕方なかったのかも知れません。
ですが、今の世の中では生活のために結婚・再婚する人は少なくなっています。
性別に関係なく、働けるところはあるので、生きるために誰かと結婚する必要はなくなっているからでしょう。
でも、ほんとにそうでしょうか。
生活のために結婚や再婚を考える女性は、今も少なからずいるはずです。
ただ、生活のために結婚・再婚した女性は、堂々をそう言えるわけもないので、目立たないだけなのです。
離婚を2回経験した筆者には、結婚や再婚に生活の安定を求める女性の気持ちは痛いほどわかります。
「お金のための結婚なんて、幸せになれるはずない」と非難されたくなくて、口にできない女性の気持ちに寄り添って考えてみたいと思います。
生活のための結婚・再婚
私自身も再婚した理由の中には、生活のためという項目が1ミリもなかったのかと言えばウソになります。
全てが生活のためとは言えないまでも、そういう一面はありました。
周りの既婚女性たちと本音で話してみると、お金や生活の安定が結婚の目的というのを否定できないという人の方が多数だとわかりました。
その理由を見てみましょう。
就職に失敗した
就職氷河期と言われた時期に就職活動をしていた世代には、高学歴なのに非正規で働く人が多くいます。
そして、やはり女性の方が就職活動が難しかったようです。
派遣で働く女性が急に増えた時期と重なります。
安定した収入を得ることができずに、自立もできないまま年齢を重ねることへの不安が大きくなれば、結婚という道に逃げたくなるのもわかります。
キャリアを捨ててしまった
結婚するときや、子供を出産するタイミングで仕事を辞めてしまった女性が、離婚してしまえばどうなるでしょう。
またすぐに働き始めれば、あっという間に前のキャリアを取り戻せるでしょうか。
世の中そんなに甘くありませんよね。
またゼロからのスタートになれば、生活するだけでも厳しいのが現実でしょう。
失ってしまった時間は簡単に取り戻せません。
年齢を重ねていれば、失ったキャリアは取り戻せないかも知れません。
心細くなりますよね。
結婚に失敗してしまったとしても、結婚に懲りるよりも自分の生活の不安の方が大きくなってしまえば、また再婚を考えることもあるでしょう。
夫婦としては失敗に終わったとしても、結婚生活はある意味ではキャリアとして考えられると思います。
今まで培ってきた結婚生活というキャリアを生かして、次は成功させようと考えるのは自然な流れでもあるのです。
離婚の準備ができなかった
離婚のために時間をかけて準備できなかった場合、その後の生活を安定させられずに、貧困に陥ってしまう女性も少なくありません。
離婚の責任が相手にあったとしても、十分な慰謝料を受け取れる割合は一握りです。
もしもDVやモラハラなどで、とにかく早く離婚したくて準備不足でも別れたりすると、その後の生活の基盤なんて整える暇もないでしょう。
そんな心細いときには、心と生活を支えてくれる存在を求めるのも当然ではないかと思います。
老後が不安になった
40代も後半になって独身でいると、自分の親も年老いてきます。
介護が必要なケースも増えてきますから、自分の周りの様子も変化してきます。
そろそろ老後の不安をリアルに感じ始めると、老後の生活を共にする相手が欲しいと考えるのでしょう。
40代後半から婚活を始める人の多くは、結婚や再婚の相手を探すのに経済力を重視する傾向があります。
それまでの人生の経験から、経済力と愛情の密接なつながりを冷静に考えられるからではないでしょうか。
子供のことを考えた
シングルマザーとして生きている女性は、生活の苦しさから再婚を考えることもあります。
これは自分のためでもありますし、子供の将来のためにも生活レベルを保つことが必要だと考えるからでしょう。
母親として、子供の生活を守るためには、どんなことでもしようと思いますから、再婚によって安定が手に入るのなら愛情よりも大切だと考える人もいます。
それが本当に子供のために必要なのかは、それぞれのケースで違うでしょうが、子供のために再婚を考えるシングルマザーの気持ちは理解できます。
結婚は就職という考え方
結婚や再婚の理由として、「生活の安定のため」というのは、悪い言い方をすれば「お金目当て」です。
ですが、私の経験から言わせてもらえば、愛情だけは結婚生活を続けるのは難しいと思います。
私は1度目の離婚の後は再婚を考えませんでした。
ですが、思うように働けなくなる事態に陥り、今は3度目の結婚生活を送っています。
1度目、2度目の結婚は、愛情を求めたのですが3度目は愛情よりも生活の安定を求める部分が大きかったのです。
2度の失敗の経験が私の考え方を変えました。
結婚に愛情を求めたり、わかりえる夫婦になるなんて理想を求めるのをやめたのです。
今は結婚という就職先を見つけたと思うようにして、ムカつくことも「仕事だから」と割り切っています。
「私の職場は結婚生活を送るための家庭だ」と考えられるようになったおかげで、3回目の結婚が一番長く続いています。
まとめ
生活のための結婚は、打算的だから幸せになれるはずはないと思われるでしょう。
でも私はそう思いません。
愛だ恋だと熱くなるのは一時的なもので、そのあとは淡々と生活する日々が続くのが結婚なのです。
生活のために結婚するのは、とても理にかなっていると思います。
あなたも割り切ってみると、ラクになれるのではないでしょうか。