日本のお墓は、その家のお墓を代々守るのは一般的です。
1人に1つのお墓というわけじゃないので、先祖代々のお墓に入るものだと思われています。
ですが、家族のカタチも昔とは違います。
再婚同士では、お墓の問題で悩む人も少なくありません。
とくに妻と死別した男性と再婚した後妻は、「私が死んだあとは、前妻と同じお墓に入るの?」と心配してしまいます。
実際の事例をもとに、後妻のお墓問題を考えてみましょう。
前妻と同じお墓に入るのを迷う気持ち
妻と死別した男性と再婚した後に、お盆や法事で前妻の存在を意識させられることがあります。
仏壇の写真、お墓に刻まれた前妻の名前などを見て、後妻の方は複雑な気持ちになるでしょう。
それでも、承知の上で結婚したのだからと、何も言わずに堪えている方が多いようです。
ですが、自分が亡くなった後まで、後妻と同じお墓に入って、肩身の狭い思いをするのは嫌だと思うのは当たり前の感情です。
死別した男性が、妻の死後に再婚すると、「冷たい男だね」などと非難する人もいます。
後妻には、何の落ち度もないし、責められることも何一つないのに、なぜか後ろめたく感じるように、周囲が仕向けているのです。
亡くなった人をいつまでも想い続け、ずっと独身を通すのが、純愛だと勝手に思っている無責任なオーディエンスのせいですね。
それが「同じお墓に入る」=「肩身が狭い」という気持ちにさせてしまうのでしょう。
前妻と同じお墓に入りたくない人の解決策
前妻が亡くなったことで、深く傷ついている家族に対して、「同じお墓には入りたくない」と伝えるのは、感情を逆なでしてしまうかも知れません。
自分自身の気持ち以上に、前妻の子供や親族に反対されることあります。
後妻の方も再婚で、連れ子がいると、また複雑になってしまいます。
ゴチャゴチャになって、関係が悪化するくらいなら、前妻と同じお墓に入らない方法を探した方がすっきりしますよね。
ここからは、「前妻と同じお墓には入らない」と決めた後妻の方が、実際に行った解決策をご紹介します。
お墓には入らない
散骨や樹木葬など、お墓に遺骨を納めるということ自体をなくして、お墓に入るという考え方そのものから解放されるという方法を選ぶ方が増えています。
お墓を守る子孫が絶えると、無縁仏になってしまいます。
それであれば、お墓に入らずに、海に散骨したり、樹木葬として自然の土にかえるのです。
前妻と同じお墓に入りたくないという気持ちを夫に伝えなくても、自分の死生観として伝えれば問題にはならないと思います。
自分のお墓を建てる
夫の家のお墓のある墓地に、新たに自分のお墓を建てる方法もあります。
夫と同じお墓に入ることにこだわらなければ、自分だけのお墓なので、気兼ねも要りませんね。
ただ、お墓を守ってくれる子供がいない場合は、荒れてしまうので、亡くなった後の管理者のことを考える必要はあります。
遺骨を人工宝石にする
散骨して何もかも自然にかえすのではなく、遺骨の一部を人工宝石にして、子供や夫の手元に置いてもらう供養のカタチもあります。
遺骨とは思えないほど美しい石になるので、代々継承される大切な宝石として守られるのも素敵な供養のカタチではないでしょうか。
納骨堂を生前予約する
終活についてテレビで特集されたりすると、お寺の建物に遺骨を納めて、永代供養されてお墓を持たないという現代的なスタイルを紹介しています。
自分のお墓を建てるのは難しいけれど、前妻と同じお墓に入らない方法として、比較的選ばれやすいパターンです。
散骨や樹木葬には抵抗を感じる方にはいいですよね。
夫婦のお墓を新たに建てる
夫婦のお墓だけ別にする方法もあります。
夫の遺骨を分骨して、夫は2つのお墓に眠るのです。
前妻の子供と後妻の子供が同じお墓に入ることでトラブルになるケースもあるので、2つに分ければ全ての問題が解決します。
もちろん、夫とよく話し合って、承諾を得る必要はありますが、前妻のことも考えた上での解決策ですよね。
前妻の実家で供養してもらうこともある
ここまでは、前妻が夫の家のお墓に納められているので、後妻である方が同じお墓に入らない方法を考えてきました。
ですが、再婚することをきっかけにして、前妻の供養を実家にお願いするケースもあるのです。
前妻に子供がいなくて、後妻の子供たちが後々お墓を守っていくことになると、前妻の気持ちを考えて、実家で供養してもらった方が良いのではないかと考えるケースです。
夫が新たに迎える妻の気持ちを考えて、前妻の実家に話をしてくれるのなら、後妻のあなたはお墓のことで頭を悩ませる必要もないので、安心ですね。
まとめ
お墓の問題は、とてもデリケートなことなので、なかなか思っていることを口に出しにくいと思います。
ですが、もしも夫に先立たれてしまうと、相談する相手もいなくなってしまいます。
後妻のあなたの複雑な胸の内を理解してもらいながら、夫婦のお墓問題も時間をかけて話し合う機会を持ちましょう。
後妻だから肩身が狭いのが当たり前だなんて思わないでくださいね。